NICHOLAS SPARKS

2010/3/5

映画化された Message in a Bottleの作者です。
ロマンティックなラブストーリー作家です。
作品は、どうと言うところが無いのですが、ときどきドトールのロイヤル・ミルク・ティーが飲みたくなるように、
彼の全作品を読み続けようと願っています。



Safe Haven

* * * * * * *Copyright 2010
おすすめ度 ★★★★☆ 2012/9/8読完了

感想:

気が付いたら、前の読書感想を書いてから、また2年が経ちました。
久しぶりのスパークスでしたが、ラブストーリーを楽しみました。
主役の男性は、Alex。妻のCarlyに死に別れて、KristenとJoshをひとりで育てています。
主役の女性は Katie。Alexの住む、North Carolinaの町、Southportにひとりで移り住んできます。

 Katieは引きこもりがちの謎が多い女性ですが、だんだんとAlex家族と打ち解けて
いきます。子供に頼りにされていきます。Alexと恋に落ちますが、Katieは暴力をふるう夫の
Kevinからようやく逃げ出してきた人です。刑事のKevinはKatieの後を探し続けます。

 後半は、サスペンスがあり、嫌なことが起きそうだと思いつつ読みました。最後に
Carlyがまだ見ぬ、Alexの未来のLoverの女性にあてた手紙が出てきます。
Message in a Bottleの著者だけあって、手紙の文面は、読む者をうるうるさせる
力量があります。Carlyの心ができすぎの感もしますがね・・・

ちょっとGhost的な展開があって、良い意味でぎょっとしましたが、
読者サービスですね。

 まあ、Page-turnerの仲間に入れてあげてよいと思います。

The Lucky One

* * * * * * *Copyright 2008
おすすめ度 ★★★★★ 2010/2/15読完了

  私はNicholas Sparksに甘いので、星をひとつ引くぐらいがちょうどよいかもしれません。

感想:

気が付いたら、前の読書感想を書いてから、ほぼ2年が経ちました(正確には2008年4月以来)。
2010年は、Nicholas Sparksから洋書の多読が復活です。

 このThe Lucky Oneは特に感動モノではありませんが、私にはこの著者の英文との相性が良くていつも癒されます。

今回Sparksがチャレンジしたテーマは、
How far would you travel to find love?
です。この本のサブタイトルになっています。内容もこの問いに答えるものです。
主人公のLoganはおよそ2000kmを徒歩で愛犬のZeusとともにやってきます。
アメリカ中央のコロラドから東海岸のキャロライナ州まで歩いたと言う設定が好きです。

 このストーリーのパターンは、ノラ・ロバーツと似ていて、男女が出会い、やがて惹かれていくお話です。
後半で、BethがLogan Thibaultに裏切られたと思い、ほぼ破局に至ります。

 本当の悪人は登場しませんが、Bethのex-husbandのKeithが やなやつの役です。
BethのgrandmotherのNanaがBethの良きメンターになっています。
登場しませんが、Bethの弟でイラクで亡くなったDrakeの面影がLoganと重なります。

 もと軍人で実直で、寡黙な性格のLoganのような男性はSparksの理想とする男性の一人なのでしょうか?
他の作品(Dear John)にも軍人が登場します。

 

物語:

主人公は、男性が Ex-soldierの Logan Thibault、イラク戦争から帰って来た、口数の少ない実直な青年です。
女性がBeth (Elizabeth) Green。
彼女は、a teacher at Hampton Elementary and lives with her grandma in the house at Sunshine Kennels.
Keith ClaytonはDeputyで、Bethと分かれた前夫で、やなやつを演じます。


本の最初の章で、Keithが登場します。覗きの盗み撮りをするような警察官です。
徒歩で旅をしているLoganがたまたまKeithを見つけてカメラを隠します。

このことを、Keithは本の後半で確信します。
最初の章で、Keithは犬を連れたヒッピーのようなLoganに出会い会話をしています。(伏線)
Loganと分かれた後で藪に置いたカメラが無くなっていることに気づきます。
Keithは父親としても、息子Benにマッチョなところを求めても、例えばバイオリンを学びたいような性格のBenには心が通いません。

 全部で38章とEpilogueの334ページなので、読みやすい本です。各章のタイトルは、人名です。
1章 Clayton and Thibault、 2章 Thibault、 3章 Beth、 4章 Thibault、 5章 Clayton、 6章 Thibault 2回目のイラク兵役。
徐々にそれぞれの人物像が描かれて、後半に三者がつながっていきます。

 ネタばれで恐縮ですが、イラク兵役の時にLoganは、Bethの写真を拾います。
この写真は、やがて兵隊たちの間で「幸運の写真」と囁かれるようになります。
何度も危険な目に会ったThibaltが無事なのは写真を持っているからだと、いつの間にか信じられていたものです。
退役後に、戦友のVictorから、「写真の女性を探すべきだ、君を守ってくれたのだからお礼ぐらい言うべきだ。」と言われ、
Coroladoから徒歩で、犬のZeusと長旅に出ます。VictorはBethの写真が「幸運をもたらす」と堅く信じていました。
その写真に写った景色の場所を探せばBethが見つかると思った、あての無い旅です。

 LoganはBethのいるKennelに雇われ犬の世話を始めます。その後の展開は本を読んでのお楽しみです。
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The Choice

* * * * * * *Copyright 2007
おすすめ度 ★★★★★ 2008/7/6読完了

 

感想:

ずーっと積読のままでしたが、ようやく手をつけて読み終えました。夜中に最後を読みながら目がウルウルして止まりませんでした。まあ、単純な私がSparksにのせられたのですが。

 前半の恋愛の部分は、ノラ・ロバーツの本を読んでいるような錯覚をするぐらい、会話と心理の動きを楽しめました。このまま終わるのかと思ったら、後半はSparksらしくなってきました。

今回Sparksがチャレンジしたテーマは、
How far would you go to keep the hope of love alive?

愛する人のために自分の人生をどこまで賭ける事ができるのかということがテーマです。作者が作り出すその状況が信じられるかどうかが、この本の成否を決めます。本の後半に出てくる、このテーマにも成功していると思われます。

このタイトルになっている THE CHOICEが何で、その後どうなったかに触れることは、ネタバレになります。この本に関しても、知らずに読むことが条件なのでそこを避けてコメントしたので、歯切れは悪いのですが・・・。

 単なるエンターティンメントにとどまらず、父親として、夫としてわが身を、些細なことも含めて、正さねばと考えさせられました。

この作者の英文には、自然にスーッと引き込まれます。今回もストーリーに引き込まれ、会話を楽しみ、癒されました。
 

 

物語:

主人公は、獣医のTravis Parker、ヒロインはTravisの隣に越してきたGabby Holland。舞台は、North CarolinaのWaterfront home。独身のTravisは親友が3人、3人とも結婚して子供がいますが、暖かい家族づきあいが続いています。

本の裏にあるコメントです。

Despite his attempts to be neighborly, the attractive redh3ead seems to have a grudge against him. Still, Travis can't stop trying to ingratiate himself with his new neighbor, and his persistent efforts lead them both to the doorstep of a journey that neither could have foreseen. Spanning the eventful years of young love, marriage, and family, THE CHOICE ultimately confronts us with the most heart-wrenching question of all: How far would you go to keep the hope of love alive?

 


Dear John

* * * * * * *Copyright 2006
おすすめ度 ★★★★★ 2008/6/17読完了

 

感想:

ほんとうに久しぶりにニコラス スパークスを読み始めて感じたのですが、あいかわらず英文は、ダイレクトに脳に入り、主人公に感情移入してしまいます。英語を読んでいる感覚がまるで無いのです。とても不思議な感覚です。著者に文章を安心してまかせてストーリーを追えば良いのです。安心感からなのでしょうか、普通の英文でなんの特徴もないように思える文章なのに不思議です。

男女の会話がたくみです。さらに、会話の直前、直後の気持ちの動きをお互いに察知する表現が自然ですごい。二人が等身大で生きていて、文字で書かれた二人が、私が実際に日常行っている会話よりもするどく、心を察知して反応している。アー、自分ももっと人の気持ちを理解しなければ、もっと人の気持ちが読めれば、優しくできるのにと毎回思います。

そういう気持ちを起こさせてくれるので、読み続けるのでしょうね。

JohnとサバンナとTimの大きな愛が全体のテーマだと感じました。

Prologueの最初の文が、What does it mean to truly love another?
です。愛する人と幸せになることが、ラブストーリーです。または、愛する人とは結ばれないラブストーリーもありますが。この物語では、そのような愛を越えた true love storyを書くことにチャレンジして、ある程度成功していると感じました。

著者も、最初のAcknowledgmentsで
the characters reflect the honor and integrity of those who serve in the military...を書くことがチャレンジだったと告白しています。つまりJohnのキャラクター、義務感の強い、実直で寡黙な良い人の性格です。サバンナのそしてTimのキャラクターも良い味です。

Honor and integrityを突き詰めると、武士道や、gentleman shipにつながってきます。私は楽しむことが出来ました。ぜひ楽しんでください。

 

物語:

主人公は、John Tyree。相手の女性は Savannah Lynn Curtis。Johnの父親は無口で、コミュニケーションにずっと苦労していました。父親の唯一の趣味であるcoin集めの話になるときだけ会話が弾みます。母親に逃げられ、父の手一つで育てられたジョンも父のもとを去り、兵役に出てしまいます。休暇で帰国したジョンの家のそばの浜辺でジョンとサバンナは静かに恋に落ちます。ジョンはサバンナから父親がautism または Aspergerであると教えられます。

物語は、ジョンがサバンナの住む牧場を遠くから眺めているシーンで始まります。物語の最後もこのシーンで終わります。途中がラブ・ストーリーです。

現在のアメリカの環境と問題が巧みに織り込まれています。兵役、遊び盛りの若者達、ボランティア、そして9/11。Autism、医療問題。義務感の強いジョンは兵役を延長し続け、待ち続けるサバンナ。Dear Johnはもちろんサバンナからジョンへの手紙の書き出しです。

 


At First Sight

* * * * * * *Copyright 2005
おすすめ度 ★★★★★ 2006/8/25読完了

この本もラブストーリーです。 構成が良く出来ているストーリーです。おすすめです。

物語:

読み始めて気づいたのですが、この本は、『True Believer』の続編です。True BelieverでLexieに出会ってから5年後の2005年2月から始まりますが、情景が3ページ表現されただけで、2000年に話が戻ります。

物語の開始が、しゃれています。

   Prologue

                    February 2005

Is love at first sight truly possible?

ストーリーのほとんどは、JeremyとLexieの婚約してから、結婚するまでの2人の準備です。Jeremyはニューヨークに戻り、友人から婚約は性急過ぎると忠告されますが、話を進めます。LexieがニューヨークのJeremyの両親を挨拶に訪問します。田舎町のBoone Creekに戻り、家を探し、家の補修を始めたり、まあ普通の婚約生活から結婚に至る準備の物語です。Jeremyはニューヨークの生活に別れを告げて、North CarolinaでLexieのそばで住み始めます。田舎生活と結婚準備のストレス、環境が変わったことで、作家を職業としているのに、雑誌社に送るエッセイが何週間も書けなくなってしまいます。PCの前に書こうとして座っても、文章が浮かばなくなってしまいます。途中で、友人をめぐり、JeremyとLexieの心のすれ違いがあり、ほんの少し気まずい思いもありますが、だんだん好転し、結婚にたどり着きます。そして、女の子が生まれます。

最後に波乱万丈がありますが、絶対にネタバレしないほうが良い物語の構成になっています。したがって、あまり書かないほうが良いでしょう。最後に、2005年の本の開始の状況に戻ってきます。とてもよくできたストーリーです。


感想:

この本は『True Believer』の続編になっているので、絶対に『True Believer』を先に読んでください。本の途中は、JeremyとLexieの小さなごたごたがあり、ノラ・ロバーツの物語のように、片方が乗り気でない状況に似ていて中だるみ感がしました。後半は、やはり期待どおりに感動させてくれました。電車の中で読んでいて、涙がウルウルと出てきてしまいました。

Lexieは両親を幼いときに事故で亡くしています。そのために祖母のDorisに育てられていますが、Dorisの暖かい人柄にも読者は癒されます。Nicholas Sparksの描く人間は、一つ一つの会話の文章で、人柄が表現されてゆきます。目立たないようですが、単語の使い方が巧みです。そして、一人ひとりが等身大で描かれて、悩み、心で葛藤しながら生きています。

ペーパーバックを読む利点は、アメリカ人の心の動きに、生の英語で触れることができることです。ビジネス英語を使う場合も、相手の心の動きを知ることにより、お互いの満足に結びつくようなコミュニケーションをすることが可能になります。恋愛物語を読んでおくことは、ビジネス英語にも、とても有効です。

最後のEpilogueで再び、2005年のFeburuaryに話は戻ります。Claireが生まれたのが2000年ですから、5歳になっていますが、かわいそうに、ほとんど毎晩のように悪夢にうなされています。父親のJeremyがClaireにしてあげたことが、この本全体の物語を優しく包み込みます。

そして、読み終わって、感動のあまり、思わず本の最初の3ページを読み返してしまいました。あなたも、最初のページに戻るような読み方が出来たら、心が癒された読み方をしたのだと思います。

私は、『True Believer』を読んでから、1年以上たって『At first sight』を読みました。皆さんには、なるべく2つの作品を続けて読むことをお勧めします。

 

 

TRUE BELIEVER

* * * * * * *Copyright 2005
おすすめ度 ★★★★★ 2005/5/2読完了

この本もラブストーリーです。

物語:

主人公はscience journalist, Jeremy Marsh。相手役はLexie Darnell。JeremyはNYに住み、 Lexieは小さな田舎町のBoone Creekに住んでいます。2人はJeremyがこの田舎町を調査に来たことで出会います。

ストーリーの始まりのシーンはJeremyがTVの人気ライブショーで人の心を読み取るとされているClausenのいかさまをあばき、TVで脚光をあびるところから始まります。これからJeremyは仕事で大きく成功してゆく様子を予感させます。そんな彼が、1週間の予定で、前から調べたかった、Boone Creekの墓場に現れると言う不思議な光の調査に行きます。

Boone Creekの市長は経済が衰退した市の観光を復活させるためにJeremyを、市を上げて大歓迎します。 Jeremyが市の歴史と墓の光を調べるために行った図書館で Lexieと出会います。Lexieは図書館長です。

感想:

本のうしろにある短いあらすじを読んで、勝手にGHOSTが出てくる話だろうと想像してしまいました。 Jeremyは超自然現象のからくりを暴く記事を書いています。Lexieの祖母Dorisは270人の子供の性別を生まれる前に言い当てているそうです。まだ一度も性別を、間違えたことが無いそうです。

裏表紙にあるあらすじです。
「A born skeptic, Jeremy travels to the small town of Boone Creek, North Carolina, determined to find the real cause behind the ghostly apparitions that appear in the town cemetery. What he doesn't plan on, however is meeting and falling hopelessly in love with Lexie Darnell, granddaughter of the town psychic. Now, if the young lovers are to have any kind of future at all, Jeremy must make a difficult choice: reture to the life he knows, or do something he could never do before - take a giant leap of faith.」

最後のtake a giant leap of faithから、Lexieの言う不思議なことを信じるかどうかということがテーマだろうと思いました。実際に読んでみると、ストーリーはNYに住むのか、田舎に住むのか、仕事が先か、Lexieと家庭が大事かを選択するという a giant leap of faithです。 私の勘違いでした。

本の後半は、Jeremy, Lexieのラブストーリーです。話しの展開がノラ・ロバーツの恋愛物語 と似ているナーと思いながら読みました。Nicholas Sparksの作品からは、もっと違った感動をどうしても期待したいところなのですが。ノラ・ロバーツは単純ですが楽しめる作品を書いています。どちらがすぐれているということは無いと思いますが。でもSparksがノラ・ロバーツと同じような作品を書いても特徴が無くて面白く無いナーと思いながら読み続けました。ノラ・ロバーツの作品の特徴は、美男美女が主人公で、一人が先に恋に落ちて、相手を尊重しながらかかわりあって、最後には結ばれるというストーリーです。

True Believerでは、それでも最後のページに「人生は良いものだ!」というエピソードを入れてくれました。以上で、全体ストーリーがばれてしまいますが、ラブロマンスを楽しめるので、やはりお勧めです。

True Believerとは熱心な信者という意味でも使われます。失敗を恐れずに、信じて与えることが人を愛するときに必要ですよね。

 

NIGHTS IN RODANTHE

* * * * * * *Copyright 2002
おすすめ度 ★★★★★ 2004/9/19読完了

この本はひとことでいうと、ラブストーリー『マジソン郡の橋』のNicholas Sparksバージョンです。つまり、数日の出会いで確かめられた深い愛情が一生続くという物語です。

Is it possible for a man to truly change?というテーマが同じ著者の作品「The Wedding」のメインテーマでしたが、自分を変えつつある男性とのめぐりあいによって、自分も変わるという一貫したテーマがこの作品の背景にも感じられます。

ストーリー:
主人公は、女性側がAdrienne Wills、相手の男性役はDr. Paul Flannerです。
物語の現在は、1999年のNovemberです。Adrienneはあと数ヶ月で60歳になります。前の夫のJackと分かれてすでに17年が経ち、父親を亡くしたのが1996年なので、3年が経っています。

Adrienneの3人の子供はMatt(32歳男)、Amanda(31歳女)、Dan(29歳男)。Jackが他の女性のもとに走って出て行ったときの子供たちはそれぞれ、14, 13, 11歳でした。

娘 Amandaの夫のBrentが癌で亡くなってから8ヶ月が経ちますが、Amandaはショックから立ち直れずに、呆然とした状態にあり、子供(Greg & Max)の面倒がなおざりになっています。

DanがAmandaを見かねて、ときどき子供の面倒を見てくれています。AdrienneはAmandaを立ち直らせるために、14年前にRodantheで出会ったPaulのことを話し出します。

以上の設定が説明された後で、Nights in Rodantheの5日間のストーリーに入って行きます。そして最後にAdrienneとAmandaの話している場面に戻ってきます。さらにおまけとして、Amandaが変わっていく様子が読者にプレゼントされます。もひとつおまけにPaulの息子のMarkがAdrienneを訪問する場面が読者にプレゼントされます。

Rodantheには、Adrienneの友人(女性)が経営している小さな旅館(Inn)があります。この女友だちが結婚式に出る都合で、管理を依頼されます。Jackと離婚して数年後です。Innには手伝いをするためにやってきたAdrienneひとり、宿泊者はPaul Flannerひとりという設定です。Paulの宿泊している5日間に、おおきな嵐がやってきます。ここの出来事は、この物語の核心ですが、あえて書きませんね。ひとことでいうと、『マジソン郡の橋』のニコラス・スーパーク版です。それぞれがじっくりと楽しんでくださいね。私は、たっぷりと楽しみました。

感想:
現実には、なかなかありえないような恋愛が読者の期待通りに描かれています。アメリカの本屋にも沢山平積みしてあるので、The Notebook, The Weddingを超えるヒットになるでしょう。一区切りストーリーが話された後に、最後のちょっとした展開があるので、きっと読者は量的にも満足して読み終えることでしょう。本は222ページのややうすいほうです。私はサンフランシスコからの帰りの飛行機の中でゆっくり読みました。時差と疲れで目がしょぼしょぼしていたこともあり、読んでいてしばしば涙が流れてきました。

これもやさしい英語で書かれているので、広く初心者からおすすめ出来ると思います。
英語の習得には、シリーズ物を読むことが、むりなく読書量を増やせる近道です。したがって、ラブストーリーが好きな方には、3冊とも読むことをおすすめします。

やはり読む順番は、書かれた順の、
The Notebook
The Wedding
Nights in Rodanthe
が基本的な読み方ですが、初心者の方には
The Wedding
The Notebook
Nights in Rodanthe
の順番のほうが良いかもしれません。The Weddingの方がストーリーの流れが明解なので、より初心者向きです。
Nights in Rodantheはその前の1冊は読んでおいて、作風に慣れてから、じっくりと鑑賞してください。そのほうが理解が深まります。

自分がおろそかにした息子との関係回復のためにどうしても出かけなければならないPaulとそのことに心を動かしたAdrienneがPaulを送り出したことは、子供のためにコミットすることを改めて考えさせられます。したがって、特にお子さんがある人におすすめです。私のような団塊の世代にも当てはまります。

 

THE WEDDING

* * * * * * *Copyright 2003
おすすめ度 ★★★★★ 2004/7/24読完了

これは、The Notebookの続編と言える作品です。

ストーリー:
作品の主人公、Wilson LewisはThe Notebookの主人公Noahの義理の息子です。Wilsonの妻、つまりNoahの娘はJaneです。物語では WilsonがI(私)と1人称で読者に語りかけます。

The Weddingの題名は、Wilsonの娘Annaが結婚式をあげる土曜日の準備とその当日が話しのハイライトになっているからです。

56歳の私、WilsonはAugust 23, 2002をいつものように働き、帰宅し、妻のJaneの作った夕食をとり終わった後で、"Is there anything you want t say?"というJaneの質問に答えられませんでした。29回目の結婚記念日を完璧に忘れていたのです。仕事優先で、家族のことを多少とも置き去りにしていた私は妻の気持ちが冷えていたことに気づきます。I suddenly realized that I wasn't quite sure whether she still love me. がっかりした妻は、数日間、New Yorkにいる息子Josephのところに行ってしまいます。

私とJaneの間には子供が3人います。長女Annaは27歳、Raleigh New and Obsrver勤務。 Boyfriendは私もお気に入りのKeithという好青年。

2人目は息子のJosephは気持ちのやさしい子で New York City "Battered women's shelter"勤務です。3人目の娘LeslieはBiology & Physiology専攻の学生です。

Janeの両親Noah & Allieの親密さにくらべたら、Wilson is unable to express his true feelings.でした。Janeに対しては感謝の気持ちも、愛情の気持ちもうまく表現できません。表現しないのが結婚29年目の習慣でした。結婚記念日を忘れた後悔からなんとかJaneの気持ちを修復しようと考えます。30年目の結婚記念日が近づいたある日、Annaは1週間後の土曜日に Keithと結婚するといい始めます。式はあげずに、届出だけでいいというAnnaの意志よりも、自分たちのWeddingがWilsonの意志であまりにも質素だった事を後悔しながら、JaneとWilsonは豪華では無くても最善の式を娘に準備してあげようと動き始めます。

感想:

Is it possible for a man to truly change?という文章から始まるこのストーリーは、Wilsonの男側の気持ちをつづった物語です。妻に対する態度をすっかり変えることが出来るか。できないと離婚の危機になる。年齢のとっても近い私には身につまされる話題です。

前半はWilsonが自分の人生を振り返り、仕事中心で、いかに自分は妻にやさしくしてあげなかったか、と言う事を悔やみます。決して悪い亭主ではなく、日本人の家庭に比べればよっぽどましだと思いましたが。

今はAllieに先立たれてさびしく老人ホームにいるNoahにWilsonはアドバイスを求めます。妻に素直な気持ちをLetterにして出すように言われますが、すぐには出来ません。
Noahは毎日、池でSwanにパンをあげるのを日課としています。
このSwanはAllieの生まれ変わりだと信じているようです。
最後に、To dance with a white dogと似たような光景が展開されます。
作者のちょっとしたサービスですね。

Annaの結婚式の準備をしてJaneをサポートしている1週間ちょっとの間に、だんだんとWilsonと Janeの気持ちの修復が起きます。Wilsonが望んでいた以上の事が。

夫婦間の気持ちの表現が中心課題なので、ストーリーは先が予測されます。従ってストーリーを追うよりも、文章から何を感じるかが問われる作品です。くどいと思う人もいるでしょう。わたしは、涙腺がゆるいので、後半はなんども涙ぐんでしまいました。ということは感情移入して読めました。

私の読んだPaperbackは276ページのものです。231ページから3ページにわたってWilsonから妻のJaneにあてた手紙が出てきます。これを読んでいると涙が止まらなくなります。はたしてあなたはいかがでしょうか。メッセージ イン ア ボトルと同じ作者です。このあたりは、うまいですね。

お涙ちょうだい的で、くどいかもしれませんが、癒しのストーリーと割り切って、文章の流れにまかせて読む事をおすすめします。

 

THE GUARDIAN

* * * * * * *Copyright 2001
おすすめ度 ★★★★☆ 2004/3/25読完了

これは癒し系ではないですが、ラブストーリーとサスペンスの両方をねらってある程度成功していますが、一気に読まされるほどではなかったので★4つ半にしました。

作者が語る作品の狙い。ラブストーリーとサスペンス(Love & danger)を書こうとはじめにテーマがあったそうです。「あたかも実在する男女を描き、その2人が恋に落ちる。やがてこの二人は危機に直面する。」このテーマで書き上げるプロセスを楽しもうとしたそうです。そうして書き始めましたが、結果は大変、 8回も編集しなおしてやっと、作者と編集者が納得できたそうです。

作者は1000以上のスリラーを読みましたが、ラブストーリーとスリラーが両立した作品は記憶にありません。作品が怖くかけていると、読者の記憶にはスリラーの部分が残ります。この作品では、両方の要素のバランスをとるようにしました。

また作者は犬の出てくるストーリーを書きたかったのだそうです。Singerという名前の犬が出てきます。The Guardianとはこの犬の予感がしませんか。

あらすじ:
前半はノラ・ロバーツの作品のようなラブストーリーです。美男美女が出てくるけど、どちらかが全然振り向かない。だけどハッピー・エンドになるパターンです。主人公の女性はJulie Barenson、夫のJimが亡くなってから4年経っています。男性の主人公はメカニックのMike Harris。 MikeはJimの友人です。PrologueはJimが死んだ年のクリスマス・イヴ。クリスマスに子犬が届くようにJimがオーダーしていたのです。犬は大型のGreat Dane。子犬で届けられたときの泣き声が歌っているようだったので、名前はSinger。

4年後にJulieは再びデイトを始めます。出会ったのは、やさしくて、ハンサムで、頭の良いエンジニアのRichard Franklin。JulieはRichardとDateを始めますが、やがてMikeの存在に気づき、MkeもJulieを意識しはじめます。

後半のスリラーのところは、実はRichardがとんでもないストーカーで、Julieを追い回し始めます。 MikeがRichardに仕組まれて、バーでRichardをなぐり、投獄されます。Julieの身に危険が迫りますが、警察はMikeが悪漢で、Richardが紳士としばらくだまされ、気が付いたときにはJulieにより大きな危険が迫ってきます。最終的には、RichardがJulieと同じヘアー・サロンで働く女性Andreaに瀕死の暴力を犯したことにより警察がようやくRichardのストーキングを疑いJulieを信じます。Julieと Mikeは警察がRichardを捜している間一時的に別の町のビーチの一軒家に隠れますが、逃亡中の RichardがしつようにJulieの居場所を突き止めようとします。

警察官Jeniffer、彼女はまだ見習い警察官ですが、父親が警官であり、独特の感を持って捜査を行いRichardの過去を探ってゆきます。

感想:
作者の作品に対する意図は、作品の最後のAuthor's Noteに書いてあります。ラブストーリーとサスペンスの両方をねらった結果、前半はノラ・ロバーツ調で、後半が Jeffrey Deaverの捜査物語を読んでいる気分になってしまいました。やはり、ニコラス・スパークスは癒し系のLoveの調子を強く書いてくれたほうが好ましいと読み終わって思いました。最後に一瞬、きらりと強い人の愛を感じられたことはこの作品を読んだ読者の大きな救いと癒しになっているのだと思います。

 

A BEND IN THE ROAD

* * * * * * *Copyright 2001
おすすめ度 ★★★★★

これも癒し系のラブストーリーです。

あらすじ:

主人公はMiles Ryan、シェリフです。場所はNew Bern, North Carolina。
Milesは2年前、彼が30歳のときに妻のMissyを引き逃げされ亡くしてしまいます。子供は小学2年のJonahひとり。

ヒロインはSarah Andrews, Jonahのクラスの先生です。Sarahは離婚されNew Bernにこの学期に移ってきたのです。Jonahの学力のことでSarahとMilesがめぐり合い、恋に落ちてゆきます。

Chapter 37までのストーリーですが、Chapter 4が突然すべてイタリック体の活字になります。事故の状況説明です。

Chapter 10が再びイタリック体の活字になり、これ以降のイタリック体で書かれている章が犯人の独白であることがわかります。Chapter 16等。

ストーリーの後半になりMilesはOtis Timsonをひき逃げ犯と決め付けて強引に逮捕します。 Otisは犯罪者であり、Milesとは長い間敵対関係にあります。ところが犯人は別のところにいます。

感想:

分かりやすい英文ですらすらと読めます。私は癒し系のストーリーテラーだと思っています。したがって、おだやかな気持ちになるように読み進むようにしています。この作品は、だんだんとエンターティンメントを意識して作者が書いていることを感じました。

Sarahの気持ち、Milesの気持ちの描写がうまいのですが、ラブストーリー作家のNora Robertsの作品に似て来ていると感じたからです。残り20ページを残してすべてが明らかにされたところで悲劇で終わるのか心配になりました。残り20ページに何が書かれているのか?最後は先を急がずにゆっくり読みました。

とてもよい終わりかただと思いましたが、皆さんはどう感じますか。

 

THE RESCUE

* * * * * * *Copyright 2000
おすすめ度 ★★★★☆

これもベストセラーになりましたが、すこし辛めに星4つにしました。後半に中だるみを感じたからです。ロマンティックなストーリーとしてはとてもよく出来ています。作者に対する期待がだんだん高くなったからかもしれませんね。

The Rescueというタイトルは主人公のTaylor McAdenがボランティアの消防士で、危険を顧みずに人を救うことと、最後に自分の心を救ったから付けられたのだと思います。シングルマザーの Denise Holtenとのラブストーリーです。

2人の出会いは嵐の日にDeniseが突然現れた鹿を避けようとして事故を起こし、気を失った ところにTaylorが現われたところです。Deniseのひとり息子Kyleが車を離れ行方不明になります。 捜索隊が出され、何時間もかかってTaylorが見つけ出します。

Taylorはだれよりも命知らずに危険に身をさらします。それは9歳の時に火事で父親を失った 事に起因しています。ストーリーの展開は巧みです。さすがに最後はきれいに終わっています。 Taylorの心の中の暗闇をシリアスに描こうとしたと解釈していますが、後半のこの部分が中だるみに思えた事は、ちょっと残念。

 

THE NOTEBOOK

* * * * * * *Copyright1996
おすすめ度 ★★★★★

ストーリー

序章は、主人公の私、Noah Calhounが80歳の時が描かれます。話は昔に戻り1946年10月がこの本の前半に描かれます。Noahが31歳、Allie Nelsonは29歳です。実は二人が付き合い始めたのは4年前ですが、途中の大戦で途切れます。Noahが帰国したことを知ったAllieは100マイルはなれたNoahを尋ねてきます。AllieはすでにLonと婚約しています。

Allieは結局Noahと数日を過ごします。Noahと別れてAllieがLonのところに行くときにAllieの母親が「Follow your heart」とアドバイスします。

Notebookというタイトルは、このときのことをAllieがNoahと別れるところまでを日記にAllieが書いたものです。

後半は、Noahが80歳、Allieがアルツハイマーになってから4年が経った、彼らが結婚してから49年目です。Noahは自分がだれだか分からなくなっているAllieにNotebookを読んで聞かせます。「Allieはどちらを選んだの?」と聞くAllie。物語には、Allieが4年前に自分の病状を知ったときにNoahにあてたLetterも出てきます。Message in a BottleのLetterのように眼をウルウルさせる効果があります。

感想:

「マジソン郡の橋」と比較されているラブストーリーです。薄い本なのでペーパーバック 入門には最適です。Message in a Bottleは結末がかわいそうなので、このNotebookの ほうが私の好みです。

Tuesdays with Morrieと同様に、電車の中で読んでいて、主人公の妻への心遣いがリアルに 伝わってきて、涙が止まらなくなり、困りました。とてもやさしい英語です。それにもかかわらず感動させる文章がかける能力は、なんなんだー。 80歳の主人公が、自分を見分けることのできない妻の病室に毎日通い、けなげに語りかけます。熟年に入りつつある私には身につまされます。

映画になったので、見ました。最後の最後にちょっと??と思うところがありました。

 

MESSAGE IN A BOTTLE

* * * * * * *Copyright 1998
おすすめ度 ★★★★★

一生に一人しか愛することができなかった父と、同じく一人しか愛することができない主人公。彼Garretは亡くした妻Catherineに向かってMessageをボトルに入れて海に流します。 Theresa Obsorneはこのボトルを海岸で拾います。ここまで深く人を愛することができる人がいることを知ったら、どんな人物か知りたくなりますよね。そこで会いに行きます。父は自分と同じような人生を送って欲しくないと息子に願いますが、恋に落ちても彼は 亡き妻を忘れることが出来ないと信じています。

この小説にはレターが5通登場します。どれも重要な役割を持っています。これらのレターはものすごくロマンティックに書かれています。作者の力量を鑑賞してください。

読んでいて涙が止まらなくなったのは、その4番目のレターです。
3ページのレターですが、その最後のところです。これはGarretがTheresaにあてたものです。
 In my dream, I saw myself on the beach with Catherine,
in the same spot I took you after our lunch at Hank's.
It was bright in the sun, the rays reflecting brilliantly off the sand.
As we walked alongside each other, she listened intently as
I told her about you, about us about the wonderful times we shared.
Finally, after some hesitation, I admitted that I loved you,
but that I felt guilty about it. She said nothing right away
but simply kept walking until she finally turned to me and asked,
"Why?"
"Because of you."
 Upon hearing my answer, she smiled at me with patient amusement,
the way she used to before she died.
"Oh, Garrett," she finally said as she gently touched my face,
"who do you think it was that brought the bottle to her?"
 
2冊ともシンプルな英語で深い感情を表現している、優れた英語教材です。 ぜひチャレンジしてください。

 

A WALK TO REMEMBER

* * * * * * *Copyright1999
おすすめ度 ★★★★★

Nicholas SparksはMessage in a bottleの作者です。Love Story作家です。この話でも泣けました。というよりも、前作よりももっと泣けます。

現在57歳のLandon Carterは40年前の1958年、Beaufort High Schoolの最終学年、17歳の ときに人生観を変えてしまう恋愛を経験します。40年前におきた数ヶ月間のストーリーです。 著者は初めにこう宣言しています。 First you will smile, and then you will cry--don't say you haven't been warned.

Jamie SullivanはBaptist ministerの一人娘。生まれたときに母親を無くしています。 Jamieは堅物で、いつもBibleを手放さない、外見をまったく気にしない目立たない女の子。 クリスマスの前のDanceにLandonは誘う女の子にことごとく断られ、最後のOptionとして Jamieに頼み込みDanceに出かけます。Landonはこのことで男の子からからかわれます。 Jamieの対応は、神の思し召しのごとくまじめです。

このあと、Jamieに頼まれて、クリスマスに行うドラマの中でエンジェル役のJamieの相手 の主役(スクルージーに似たストーリー)をしぶしぶ引き受けます。Danceでは助けられたので Noとは言えない立場にはまってしまいました。ここから先はHappy Endではなく、悲しい結末が 待っています。

A Walk to RememberというタイトルのA WalkはJamieがある特別なところを歩いた20-30 歩のことです。

Nicholas Sparksの文章はみごとに、to show us the depths of the human heart-- and the joy and pain of living. Bittersweet, a tragic yet spiritual love story とウラ表紙にあります。

やさしい単語しか使っていないのに、深く心を動かされ、一気に読み終えました。この 表現力はやはり、ものすごい才能でしょう。やさしいので、Paperbackの入門書としても お勧めします。でもいつかじっくりと読んでいただきたいですね。