Nora roberts

Irish Trilogy(アイルランド3部作)につられて読み始めた作家です。作品を沢山書いていて、 アメリカでは女性に大変人気のある作家です。大衆娯楽作品に入るのでしょうね。

3部作の多い作家です。以下は7作品ですが、もっと書いています。

Three Sisters Island Trilogy
 
(1) Dance upon the Air    (2) Heaven and Earth  (3)Face the Fire

The Irish Trilogy (The Gallaghers of Ardmore Trilogy)
 
(1) Jewels of the Sun    (2) Tears of the Moon   (3) Heart of the Sea

The Born In Trilogy
 (1) Born in Fire   (2) Born in Ice   (3)Born in Shame

The Chesapeake Bay Trilogy
 (1) Sea Swept   (2) Rising Tides   (3) Inner Harbor

The Dream Trilogy
 
(1) Daring to Dream   (2) Holding the Dream   (3) Finding the Dream

In The Garden Trilogy
 
(1) Blue Dahlia   (2) Black Rose   (3) Red Lily

The Sign of Seven Trilogy
(1) Blood Brothers   (2) The Hollow   (3) Pagan Stone

  Noraの作品を何冊か読んで気がついたのは、Noraは女性を主な読者として書いているロマンチック・ラブストーリー作家だということです。ダニエル・スティールと似た傾向があるとも感じています。その傾向は、美男美女が出てきて、ハッピーエンドで終わること。エンターティンメントとしてよく出来ていて海外ドラマを見ているように流れにのって読むことが出来ます。したがって気楽に作者にまかせて、突っ込まずに楽しむ事をおすすめします。わたしも癒し系としてとらえて読んでいます。

 3部作にすると売れる理由は、 漫画の続き物を読みたくなるようなも心理に似ています。3部作に共通する特徴は、1作で1つのカップルづつゴールインするところです。3作では3つのカップルが登場します。1作目で主人公になっていた男女は 2作目では脇役として出てきます。読者は1作目の主人公についてお馴染みになっているので2作目はリラックスして読むことが出来ます。先の展開がある程度推定できますが、エンターテイメントとしても会話が生き生きとしているので、つい読んでしまいます。

The Sign of Seven Trilogy: 1 Blood Brothers

Copyright 2008
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おすすめ度★★★★☆    (2012/1/31 読終り P322 約100,000語)

感想

3年ほど前に購入したものです。2012年になってようやく普通に読み始めました。3部作です。

 ひとことで言うと、Demonとの戦いに巻き込まれた3組の男女のラブ・ロマンス。
ストーリーの出だしは、21年前に戻り、主人公の 3人の男の子Cal, Fox, and Gageは10歳の誕生日に一緒に一泊のキャンプのために森の中のHawkins Hollow に出かけるところから始まります。池で遊んでいて、Calは女性の亡霊を見ます。キャンプ場所にあるGreat Stoneに彼ら 3人の手首のBloodを儀式としてかけます。Blood Brothersのタイトルはここからきています。このことで封印されたDemonが偶然に解放されます。それ以降7年ごとの誕生日に、7日間、町の人は狂気に襲われ、互いを殺し合う事件もおきます。1週間が終わると人々からは記憶が失われて何が起きたのかは、 3人以外の町の人たちはは覚えていません。今年は2008年。7年かける3にあたる21年後の今年が一連の出来事を終わらせる年だと、Annの幽霊がCalに伝えます。1作目は冬の2月が舞台です。 7年前とは異なり、今年は2月からすでに幽霊が動き始めているため、7月に起こることが今年は大きいことを予感させます。

 第1作目は、主人公はCal、相手役はQuinn Blackです。Quinnはこの街で不思議なことが起こることを聞きつけて記事にするためにCalの所を訪ねてきます。Nora Robertsは大衆小説作家と言っても良いと思いますが、その作品では、人々の個性が生き生きと描かれていて、楽に感情移入ができます。この3部作も実にうまいと思います。

 過去の7月に起きた謎を解くために、記者のQuinnを中心に、Cal, Fox, Gage, Layla, Cybilは調査モードに入ります。Calのおばあさんは実に97歳。昔勤めていた図書館でQuinnに過去からの出来事を話し、Hawkins Hollowについて書かれた著書を紹介します。3人の男(Blood Brothers)と、やがて知り合う3人の女の合計6人と1匹の犬Lumpと森に入り、Pagan StoneでDemonと対峙します。Gageが持ってきた銃に少し効果があり、Demonを追い払ってこの第1戦は彼らが優勢になった?ところで2冊目に続きます。
 

The Sign of Seven Trilogy: 2 The Hollow

Copyright 2008
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おすすめ度★★★★☆    (2009/3/1 読終り P325、およそ100,000単語)

感想

『The Hollow』は3部作「The Sign of Seven Trilogy」の2作目です。
 2作目はFoxとLaylaを中心においたラブ・ロマンスになっています。第1作目はCalとQuinnのラブ・ロマンスでしたね。6人は、不思議な現象に会うたびに、そしてAnnの亡霊を見るたびに、1652年に起きたPagan Stoneの悲劇に巻き込まれたAnn Hawkins, Giles Dent, Hester Dealeと何らかの血縁関係があることが分かってきます。FoxとLaylaは出だしでは恋愛関係にはならないようですが、だんだん関係が深まって行きます。Laylaのほうが最後まで慎重です。

 2作目の最後では、6人が森の中のPagan Stoneところに行き、悪のdemonである Twisseがしかける幻覚と戦いながら、あることを成し遂げます。

海外ドラマを見るように人物の心の動きがすなおにイメージできる文体はさすがですが、攻撃を仕掛けてくるdemonとの戦いのホラー・ストーリーには迫力があまり感じられません。最後も、海外ドラマの「チャームド」のように軽い感じがしました。Nora Robertsワールドでは、男女の会話を十分楽しみながら読める好きな作家なので、あまりストーリーには期待しないで読むと、それで充分だと思っています。念のため!


The Sign of Seven Trilogy: 3 Pagan Stone

Copyright 2008
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おすすめ度★★★★☆    (2009/3/20 読終り P305、およそ100,000単語)

『The Pagan Stone』は3部作「The Sign of Seven Trilogy」の3作目、つまり最終話の完結編です。
 最後に残った、GageとCybilとのラブ・ロマンスです。FoxとLaylaのコンビは過去を感知する能力を、FoxとLaylaは二人が同時に現在起こっていることをテレパシーのように感じます。GageとCybilは二人とも「未来」を感知する能力を持ち合わせています。ストーリーの流れからは、この6人対Demonとの戦いが待ち構えていることが予想されます。GageとCybilが力を合わせて予知したものは、Demonを倒すためにGageが身を投じて死に至るもの。さて、結末はどうなるでしょう。
 著者の書く会話は、読みながらリスニングが出来るリアルな優れモノです。6人の会話が心理描写も含めて良くできています。一方でTwisseと戦うストーリーはいまいちだと感じました。ストーリーに関しては、★3つ。会話を楽しむことに関しては★4つです。


SPELLBOUND

Copyright 1998
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おすすめ度★★★★★    (2009/1/25 了 P81)

感想

本屋で生徒用の多読の本を探していて見つけたP81の薄い本です。生徒に読んでもらう前に、読んでおく必要があるので、読んでみました。そして、久々のノラ・ロバーツ ワールドに触れて、更に読みたくなりました。3部作をAmazonで注文しました。

P81ですが、ノラ・ロバーツ ワールドが凝縮されていて、まさにノラ・ロバーツ入門に適した本です。

ノラ・ロバーツ ワールドとは、ロマンチックなラブストーリーです。作品によっては、ファンタジーの要素が入ってきます。ファンタジーと言ってもドラゴンが出てくるわけではなく、たいていは昔の恋愛関係や悲しい出来事があったスピリットと現代の美男美女が関係して、最後はハッピーエンドになります。

物語の主人公は、
Calin Farrel, World-famous photographer, New York在住で、Irelandを訪ねる物語です。

Bryna Torrence, Irelandに住む、美人Witch

1000年後までに、Witchと悪役が戦うというSpellsが設定で、2日後がその日です。

楽しめました。短いので、おすすめです。

 

 

Blue Dahlia

Black Rose

Red Lily

Copyright 2004/10, 2005/6, 2005/11月
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おすすめ度★★★★☆    (2007/7/15 聞き終える)

感想

In the Gardenの3部作が、Blue Dahlia, Black Rose and Red Lilyです。

3部作の物語は、例によって、1作ごとに別々の男女のカップルの物語になっていて、3作は、ゴーストでつながっています。

これのAudio Bookは3部作が一つのパッケージとして売られています。実に1作で5枚組みのCDが、3作ぶんも入っているので、 CD15枚、録音時間は合計18時間です。これで\4,000は、私は安いと思いました。

ナレーターは、3作とも Susie Breckです。ナレーションは、まあまあだと思いますが、若き母親役のHeyleyの作り方が、かわいい声を出そうとして少し抵抗がありましたので、星4つです。ならば、本で読んだほうがよかったのだろうと思ったAudio Bookでした。

 

物語

第1作目のBlue Dahliaの主人公は、ヒロインがStella Rothchildです。若き未亡人で2人の男の子の母です。故郷の南テネシーに自分のルーツと仕事を探しに移ってきます。物語の場所は、そこのお屋敷のHarper Houseです。女性家主のRozのGarden nurseryの仕事のマネジャーとして住み込みで雇われます。ヒロインの相手役の男性は、ruggedly handsome landscaperのLogan Kitridge です。

Harper Houseには、昔から、子供が12歳ぐらいになるまで、見ることができるHarper Brideといわれているゴーストがいることを Stellaが知るようになります。

第2作目の Black Roseのヒロインは、お屋敷の主人である、Rozこと、Rosalind Harperです。彼女は、ゴーストの正体を突き止めるために、genealogist(家計図調査人)のDr. Mitchell Carnegieに調査を依頼します。ヒロインの相手役の男性は、このMitchellです。

第3作目のRed Lilyのヒロインは、Hayley Phillipsです。HayleyはHarperを頼り、屋敷で女の子Lilyを出産して庭園業を手伝っています。ヒロインの相手役の男性は、 Rozの3人の息子のひとりです。Hayleyは、頻繁にHarper Brideの存在を感じるようになり、ついには取り付かれるようになります。Mitchellがだんだんとゴーストの正体を明らかにしてゆきます。Harper家の息子達といっしょに、ゴーストに対抗し、最後には、安眠させてハッピーエンディングとなります。

以下は Publishers Weeklyのコメントです。

From Publishers Weekly
 Flower metaphors run amok in this first installment of Roberts's newest trilogy, which focuses on a quaint nursery called In the Garden and the haunted estate neighboring it. The book starts out at a plodding pace, with the sudden death of Stella Rothchild's beloved husband and her subsequent move, with her two young boys, from Michigan to the outskirts of Memphis. Fortunately, the pace picks up after Stella plants her roots at Harper estate and secures a job managing In the Garden, which is owned by Roz Harper, the same blunt, self-assured woman who presides over the estate. Though strictly regimented Stella forms a fast friendship with Roz, she clashes with Logan Kitridge, the nursery's sexy landscape designer. Logan is the antithesis of Stella—brash and impulsive, he thrives on chaos—but their enmity inevitably gives way to love. The scenes between them crackle with wit, charm and sexual tension, and are rivaled only by the warm relationships that develop among Stella, Roz and Hayley, a distant relative of Roz's who comes to the estate seeking a fresh start. Less effective is a subplot involving a ghost who doesn't seem to approve of Stella's relationship with Logan. This thread provides a few spooky moments, but it would have been more effective without the prologue's clichéd setup. While this book isn't vintage Roberts, it's a promising start to a new series.
Copyright © Reed Business Information, a division of Reed Elsevier Inc. All rights reserved.

 

 

Midnight Bayou

* * * * * * *Copyright 2001作品 * * * * * * *
おすすめ度★★★★★
2003/10/29

物語:
現代風のGhost Storyとあったので、楽しみに読み始めました。ダニエル・スティールのGhostが気に入っていたから、 Noraはどのように書くのか興味がありました。

主人公は 美男のDeclan Fitzgeraldと美女のLena。2002年の正月から春にかけての物語。Declanはルイジアナ州のいなかにある Manet Hallという由緒あるが古びて、長年ほおっておかれた屋敷を買い、レストアをはじめます。屋敷のそばには品の良い初老のOdetteが住んでいて、Declanと仲良くなります。LenaはOdetteの孫で、土地のBarを経営しています。

もうひとつの物語はManet Hallの1899/12/30に起きた事件です。この家には二人の息子LucianとJulianがおり、その母親はJosephineです。 AbigailはLucianの妻で、生まれたばかりの女の子Marie Roseがいます。Abigailは元召使だったため、冷たい心の持ち主のJosephineからは嫌われています。放蕩息子の Julianは酒に酔い、Abigailに乱暴した挙句に首を絞めて殺してしまいます。その場に来たJosephineはJulianとAbigailを運び出し、川に埋めてしまいます。二人は、Abigailが浮気をして家出をしたことにして振舞います。帰宅したLucianはAbigailの家出が信じられずに探しまくります。

現代に戻り、Declanやこの家をおとづれる人間はゴーストを見たり、ドアが人もいないのに開閉するポルターガイスト現象に出会います。Declanは最も強く Ghostを見たり感じたりしますが恐怖心は無く、一人でManet Hallに泊まりレストアを続けます。DeclanはLenaに強く引かれ、恋に落ち根気よくLenaにせまります。 LenaはDeclanがジェントルマンで、教養があり何よりも美男子なところに惹かれますが、かたくなに自分が恋に落ちることを制止し続けます。Declanはわけがあってこの家にひきつけられたことを感じ、 AbigailとLucianの過去を探り出そうとします。LenaはMarie Roseの数世代あとの孫です。

感想:
ダニエル・スティールのGhostはGhostとして現れた過去の人が幸せな恋愛をしていました。Midnight Bayonは過去の恋人が不幸な死を遂げたために、Ghostとなって出現します。Declanは過去の不幸な恋人に引き寄せられます。Ghostの魂を成仏することが出来る鍵をにぎっています。最後になって、なるほどとちょっと感心させられるストーリーにしあがっています。Noraのお得意の恋愛ロマンスです。とにかくNoraの作品は癒し系のエンターティンメントなので、この作品も単純に割り切って楽しみましょう。男女のどちらかが積極的に恋に落ちて、相手がなかなか受け入れないといういつものパターんです。今回はDeclanが積極的、Lenaがなかなか受け入れない配役になってます。

 

Cordina's Crown Jewel

* * * * * * *Copyright 2002作品 * * * * * * *
おすすめ度★★★★★
2003/10/12 読了

物語:
 Nora版ローマの休日です(オードリー・ヘップバーン)。PrincessはCamilla de Cordina。王家の公式行事とパパラッチに追い回されている生活に心身ともに疲れきったCamillaは、ぶらっと一人でアメリカの Driveの旅に出ます。ニューヨークを出て北東のヴァーモントの森の中が舞台になります。 嵐になり、道に迷い、車を溝に落として困っていたところに通りかかったのが、Del こと Delaney Caine。車の事故で肩の脱臼、片腕が利かない状態でCamillaに出会います。Del は考古学者。レポートの作成のために、 Princessとは知らずにCamillaに助手を依頼します。

Delは考古学の研究の没頭していて、自分で何でも出来るので、研究以外のこと(恋愛など)は自分には関係ないと考えています。ひょんなことからCamillaを家に泊めますが、だんだんとCamillaの美しさ、知性、考古学への関心、レポートにたいする適切な質問などなどからだんだんと心がCamillaに引かれてゆきます。同様にCamillaもDelに引き込まれてゆきます。

Camillaは自分の身分をなかなか言い出せないでいるうちに、Delに気づかれ、追い出されてしまいます。一時の怒りで追い出した Delは後悔しますが・・・。

舞台は変わり、秋のCordina(王国)の舞踏会。読者の気持ちをやきもきさせながら、最後にハッピー・エンドになります。

感想:
Noraのお得意の恋愛ロマンスです。とにかくNoraの作品は癒し系のエンターティンメントなので、理屈は考えずに割り切って楽しみましょう。Camillaがオードリー・ヘップバーンのイメージだとすると、Delはインディージョーンズのハリソンフォードのイメージで読みました。この作品は2月のバレンタイン・デーのために書きおろされたようです。そのために、Camillaはオードリーヘップバーンよりもさらに現代風にアレンジしてあります。Del もアクションスターと言うよりは、過去の人間の生活文化への情熱に満ちて考古学を追求する姿が描かれています。ハリソン・フォードをもっと知的にした感じです。読者を楽しませるためにファンタジー風になっている面もありますが、十分に許せる範囲です。

Cordina's Royal Familyは3部作があるようです。時間がとれたときに読んでみようと思っています。Cordina's Crown Jewelはこの3部作の宣伝・イントロダクションにもなっています。
1. AFFAIRE ROYALE
2. COMMAND PERFORMANCE
3. THE PLAYBOY PRINCE

 

Table for Two

* * * * * * *Copyright 2002, 1985作品 * * * * * * *
おすすめ度★★★★★

感想

1985年に書かれた2部作を1冊のPaperbackにまとめて再発行した物です。1冊で2度楽しめます。1作目は「SUMMER DESSERTS」。2作目は「LESSONS LEARNED」

「SUMMER DESSERTS」
主人公はMiss Summer Lyndon。世界でも1流のデザート料理のシェフ。フリーランスです。上流階級の人々の求めに応じて飛行機で世界中を駆け巡りデザートを作っています。相手になる男性はホテル王のBlake Cocharan。自分の高級ホテルの高級レストランをリニューアルするためにSummerとの12ヶ月の契約を勝ち取ります。

 才能も地位も有る美男美女が恋に落ちて結ばれる話です。と言ってしまえば単純ですが、エンターティンメントとしてよく出来ています。男性が示す愛情に対して本能的に疑いを持ち反発する SummerがいかにしてBlakeに心を許してゆくかと言うプロセスを巧みな女心の表現で読者をひきつけます。日本人にとってはとてもよい英会話、感情表現を学べる題材でしょう。そう考えると無味乾燥に思えて楽しめないので、構えずに漫画を読むような気持ちで読めば良いと思います。これも私にとって癒しになりました。Summersの友人として2作目の美男子主人公のイタリア人Carlo Franconiも登場します。

「LESSONS LEARNED」
 主人公はやり手の出版社の宣伝広報担当Miss Juliet Trent。お相手は美男子のイタリア人シェフCarlo Franconi。JulietはCarloが出版した最新の料理の本を販売促進する為にCarloとアメリカ中のツアーを組み、サイン会、TVのインタビュー、料理番組、雑誌のインタビューを各州で行います。ツアーは大成功で、 Carloの料理の本もベストテン入りします。どこに行っても陽気で女性に持てて、女性に目がないイタリア人のCarloはTVインタビューから雑誌のインタビューなどすべてのイベントをチャーミングに演じます。

 Julietは軽い乗りで持てすぎのCarloに心を許さず、自分のキャリアのためのビジネスの成功に集中します。Carloも持てすぎるけれども未だにこれはという女性にまだめぐり合ってはいません。

 そんな2人の会話、心理描写が楽しく描写されてゆきます。最後は当然のハッピーエンドなので安心して読めます。

 現実にはありえないジェントルマンでやさしい男性に対して、はつらつとした美人で魅力的な女性がなかなか心を許さない。けれど最後には結ばれるパターンが大勢の女性の読書をひきつけています。New York Timesのベスト10に頻繁にNora Robertが出てきます。その物語展開のパターンはすでにこの2部作に現れています。

 

* * * * * * *Copyright 2001/6
<h2 designtimesp=21819>Dance upon the Air * * * * * * *
おすすめ度★★★★★

3部作の1冊目です。
Three Sisters Islandはニューヨーク州にあります。インターネットで調べると、以下の ように灯台の 項目に出ていました。

THREE SISTERS ISLAND LIGHT

State: NEW YORK
Location: ST. LAWRENCE RIVER
Nearest City: CHIPPEWA BAY
County: ST. LAWRENCE
U.S.C.G. District: 9
Year Station Established: 1870

この灯台は、オンタリオ湖の北東St. Lawrence河のどこかにあるようですがこの物語とは関係 ありません。

物語のThree Sisters Islandはボストンの近くの海の中にあるという想定です。

Three Sisters Islandは1692年6月22日の夏至の日に、3人のWitch(魔女)がこの島に逃げてくるところが短く 描写されます。場所はMassachusetts州のSalem Village3人のWichesの名前はAir, Earth and Fireです。

SALEMは実際にBostonの北東20kmぐらいの ところにある海岸の町です。私の詳細な道路地図を調べてもSalemの付近の海には島はありませんでした。 架空の島です。

物語の本題は2001年6月に始まります。主人公のNell Channingがこの島に渡ってきます。Nellは実名Helen Remington。裕福な夫Evan Remingtonの家庭内暴力から逃れてこの島に定着します。

Nellは地元のBookstore Cafeの料理人としてMia Devlinに雇われ、その料理の腕で島の人たちに溶け込み、島のSherrifのZack Toddと恋に落ちます。

3人のWitchesはNell, MiaそしてZackの妹のRipley Toddです。NellはMiaから少しWitchcraftの手ほどきを受けます。最後にはEvanが島にNellがいることを 突き止めNellと対峙します。NellがEvanに対する恐怖心に立ち向かうところがメインテーマなのでしょう。

島には、おそろしい呪いがかかっている想定のようですが、1話では出てきません。

お薦め度は、 話が単純なので星4つ★★★★☆にすることも考えましたが、3部作の大きな構成になっていることを 加味しておまけで星5つです。娯楽読み物としてよくできているので、アメリカ人の女性に圧倒的な 人気があることは理解できます。2作目に期待しましょう。

 

Heaven and Earth

Copyright 2001/12
* * * * * * *
おすすめ度★★★★★
3部作の2冊目です。
久しぶりにSkysoftで数冊Paperbackを注文したときに、BestsellerのTopの方にあったので先に注文 しました。3部作の2冊目を先に買っておいて、あとから1作目と3作目を買い足して、1作目から読み始めました。

シリーズものの2冊目以降は、登場人物のイメージができているので、ストーリーだけ追えることです。作者も、 書きやすいと思います。2冊目の主人公はRipley Todd。

始めに1699年9月が3ページかかれています。出てくるのはEarthと呼ばれるWitch。300年前にこの島に いた3姉妹はAir、Earth、Fireにたとえられています。題名のEarthは2人目の姉妹。Ripleyが300年後の子孫です。

ラブストーリーなので、相手はMacAlister Booke。ハンサムで金持ちの彼は超常現象を科学的に研究していて、測定器と共にThree Sisters Islandにやってきます。

Ripleyは気性が激しく描かれています。RipleyもBookeもどちらも スポーツウーマン、スポーツマンでハンサムに書かれています。娯楽ロマンスですが、1作目よりもずっと 内容が濃く感じられました。彼女たちの魔法のBookeによる分析も興味深く書かれています。

300年後に大きな危機が島にやってくると予言されていました。その危機をもたらすのは、レポーターのJonathan Q. Harding。ラブストーリがハッピイエンディングになるころに島にやってきます。

どのような危機で、どのように戦うのかは読んでのお楽しみです。

TVシリーズのCharmedのパロディもちょっと出てきて楽しめます。

 

Face the Fire

Copyright 2002/6
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おすすめ度★★★★★
3部作の3冊目です。最終話の主人公はMia Devlin。三人姉妹のWitchでは一番上で、魔力も 安定して強い、誰からも頼られる存在です。相手の男性は、Sam Logan。2話までに、Miaの心を傷つけて島から出て行った男性として語られていますが、11年ぶりに Three Sisters島に戻ってきます。目的は、Miaの心を再び取り戻すことです。Samは島にひとつある Hotelの所有権を父親から譲り受け、Hotelの経営を見に6ヶ月の予定で島に渡ってきます。

当然、3人の女性陣はSamを敵対視します。

男性陣の反応は、Zackは幼馴染であるため、歓迎 します。Macは中立。

登場人物6人それぞれの描写に引き込まれます。ベストセラーになっている 要素なのでしょう。誰がどう感じてどう動くのか、ストーリーはどう展開してゆくのか。娯楽作品と して楽しめました。

英語学習上は、やさしい単語が多いので、すらすらと読めます。いわゆるBig Word (ラテン語系のスペルの長い単語)は出てきません。そのかわり、4-5文字の短い単語で、 きっちりと覚えていない単語が出てきます。Nativeは知っていて当然の単語です。おぼろげながら 推測して読めるのですが、辞書をなるべく引くようにして読みました。

3作目で、島にかかって いるのろいの正体が現れてきます。地から湧いてくるDarkなエネルギーがWolfの形でMiaおよびMiaの 血族を襲います。Miaは最後に戦うべき運命と覚悟しています。はたして、自分の命とともにDarkな 悪を葬り去るのか。最後は読んでのお楽しみです。


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Jewels of the Sun

 
Copyright1999
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おすすめ度★★★★★

The Irish Trilogy3部作の1冊目です。
2001年はなかなかページが進まなかったのですが、この本はイッキに読みました。私の好きなタイプの ラブストーリーです。3部作構成のIrish Trilogyの第一作です。

実は二作目のTears of the Moonを2000年8月にアメリカで買いました。40% OFFにつられて買ったあとで、3部作の2冊目である事に気がつきました。何軒か本屋を回ったのですが、 この1冊目は売り切れでした。

手に入れたのは、2000年12月のSKYSOFTのキャンペーン中です。

とにかく楽しめました。Maeve Binchyのイギリスの癒し系に雰囲気が似ていますが、もっとシャープで、人物の感情の起伏も激しい ものがあります。舞台はアイルランド。1作目の主人公のJude Murrayは人生を立て直すために、シカゴから6ヶ月離れて、おばあさんの故郷のアイルランドのコテージで 過ごす事にしました。教師をしていたJudeは離婚をし、仕事に行き詰っていたところでした。 JudeはDublinからレンタカーで南下し、南海岸のWaterfordを通過してArdmoreに行きます。地図で見ると Waterfordの付近にはArdmoreは見つかりません。架空の場所かもしれませんね。Gallagherファミリーの 長男のAidan Gallagherは放蕩の末に故郷に帰り、代々伝わるPubのあととりになって働いています。

アイルランドの気さくな人々から癒されたJudeはいつか書きたいと思っていた、土地に伝わるhaunting mythsを書き進むにつれて、自分を取り戻してゆきます。JudeもPrince、Princessの幽霊に出会い会話を します。Carrickは幽霊の一人?でPrince of Faeriesです。この物語をよむためには、イギリス(アイルランド)人の幽霊に対するイメージを知る 必要があります。イギリスの家は幽霊が出る家ほど高く売買されます。不動産屋もその家には幽霊が 付いているという証明をするそうです。そうすることで、高く、はやく売れてゆくそうです。この物語に 出てくる幽霊もかっこよく描かれています。

幽霊といえば、古くはハムレットの父親がありますね。 私の好きな本ではダニエルスティールの「Ghost」がおすすめです。

物語に戻ると、最後はHappy Endになりますが、話しの盛り上げ方が巧みで読者を感動させる文才にたけています。女性の作家で 女性向の物語でしょう。古い考え方の日本人男性には理解できない所があるかもしれません。アイルランドの 美しい自然と、素朴で暖かい人情が心に染みてくるタッチで書かれているので、私は全面的に楽しみました。

2作目のTears of the Moonの背表紙を見ると、次男のShawn Gallagherが主人公のようです。そういえば 1作目でShawnのSongwriterとしての才能がそれとなく紹介されています。そうすると1作目の主人公はAidan Gallagherが主人公になります。3部作はGallagherファミリーの物語とあります。イギリス・アイルランドに 興味がある方には超おすすめです。


Tears of the Moon

Copyright 2000
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おすすめ度★★★★☆
この2作目を読んで、3部作の構成とそれぞれの題名の意味がわかりました。幽霊のPrince of FaeriesであるCarrickが恋人のLady Gwenに3度求愛し3度とも断られました。

1度目は、太陽から持ってきた ダイヤモンドをGwenに差し出しました。Jewels of the Sunはダイヤモンドです。2度目は月から真珠を持ってきて差し出しました。これがTears of the Moonです。3度目は海から持ってきたサファイヤです。これが3作目のHeart of the Seaというタイトルになっています。

この2作目は次男のShawn GallagherとO'Toole家のBrennaが主人公です。このふたりのラブストーリーです。Brennaは男まさりの女性で 父親と大工兼メカニックのような男性的な仕事をしています。このBrennaがShawnにアプローチをします。

Shawnは才能あるSongwriterですが、兄のPubで働いている現状に満足しています。BrennaはShawnの消極的状態に いらいらして、どんどんリードをとりはじめます。

CarrickがLady Gwenと自分にかけたのろいを解くには、3組のカップルを結婚させる必要があるということが明かされます。 ShawnとBrennaは2組目のカップルになります。2人を結びつけるために、CarrickはたびたびShawnの前に あらわれます。

2作目は話しの筋が見えてくるので、1作目ほどのインパクトはありませんが、最後が きれいに終わり、十分楽しめました。インパクトが弱かった分でおすすめ度は★4つです。

 

Heart of the Sea

Copyright 2000
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おすすめ度★★★★★

この3作目の主人公はGallagher家の3人の兄弟姉妹の下の妹のDarcyです。お相手は、New Yorkで建築業で成功しているビジネスマンのTrevor Mageeです。レコード会社も持っています。彼の祖先は アイルランドのArdmoreから来た設定になっています。このために、Gallagherのpubに隣接して、 あまり大きくは無いけれど、ずっと残るようなTheaterを建設する夢を実現するためにArdmoreにやってきます。

Darcyは1作目から美人で、ファッションにうるさく、男性のあこがれの的として描かれています。 彼女の夢は、世界中を旅行して、お金持ちと結婚して、豊かに暮らすことです。

DarcyとTrevorは結婚を全く前提にしない付き合いを始めます。Trevorから見たDarcyは美人に似合わない ところを発見して行きます。Pubでの働きぶりから、勤勉で働き者、誰からも好かれる人柄、 美しい声の持ち主、人の心をゆりうごかす歌唱力、芯の強い精神、…と物語なのでおもいっきり 理想的に書かれていきます。

Darcyから見たTrevorは、はじめて見た工事現場で働いている、 筋肉質の労働者だけど皆とは違う洗練された何かを感じ、美男子で、その後、お金持ちで実業家で、 洗練された趣味と紳士のなかの紳士、Judeの出産のパニックを救う頼りになるところ、…とこちらも 理想的に書かれて行きます。

心理描写がじつにうまいと思いました。ストーリーも一流です。 2作目は、ちょっと中だるみの感がありましたが、3作目は質の良い娯楽作品にできあがっています。

幽霊のCarrickがLady Gwenとの間ののろいを解くために、しきりにTrevorの前にあらわれて、Trevorをけしかけます。 2作目まで無言だったGwenもついにTrevorに話し掛けます。

「男性の脳の仕組み、女性の脳のしくみ」 に関する本が売れています。この3部作には3組の男女が出てきて、一方が結婚を決意してから、相手が それを受け入れるまでの心理描写が実にたくみに心理描写されています。女性向のストーリー なのでしょうが、「何が決定打として女性の心に訴えるか」という秘密がわかるので、ひそかに 独身男性に読むことをおすすめします。

 

The Stanislaski Brothers

Copyright 2000
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おすすめ度★★★★★
この本を読み始めた2001年7月には次作のThe Stanislaski Sistersが米国でベストセラーになっています。 2001年には、Nora Robertsの作品がかなりベストセラーに入っています。人気の高い作家です。

The Stanislaski BrothersはMikhailとAlexの話しです。Stanislaskiきょうだいは男2人、女2人の4人です。 作者によると、The Stanislaski Brothersはきょうだい4人の話のうちの第2話と第4話を一冊に まとめたそうです。

前半は兄のMikhailのストーリー。主人公となる女性は父の死により会社を受け継いだ裕福なSydney Hayward。Mikhailは彼女が所有するアパートのうちの一つのアパートの住人。住人の苦情をSydneyに 持ち込んだことがきっかけで、アパート修理の工事監督になります。実は新進の彫刻家。

後半は、 弟で警察官のAlexが主人公のストーリー。女性側の主人公は、作家のBess McNee。彼女は、役作りで出かけた下町で、あやまってAlexに逮捕されます。