Tom Clancy

* * * * * * *Copyright 2000
The Bear and the Dragon
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おすすめ度★★★★★

「レッド・オクトーバーを追え」で有名なClancyは潜水艦をはじめとした、先端の軍事技術、 軍事情報機器および運用方法の記述がリアルで詳しく、映画のような臨場感があります。

おかげで、米軍からその記述に対して、控えるようにように、にらまれているとか。Jack Ryan シリーズとその工作員のJohn Clarkシリーズが好調です。Jack Ryanシリーズでは、1000ページを越える長編が続いたのですが、 John ClarkのRainbow Sixでは900ページを切っています。このぐらいが気負わずに読める限界ですよね。
Power Playシリーズは400ページ前後です。
 
Jack Ryanシリーズです。題名から推測できるように、後半4分の1に記述されている中・露戦争が メインのテーマです。主人公は 大統領になった、Jack Ryan。 John ClarkもRainbow Sixの隊長として登場います。いままでの 全員登場と言う感じです。

この作品は、中国の人が読むと、とっても嫌な気分になると思い ながら読みました。前半は、中・米のTrade交渉を中心に話が進みます。始まりは、モスクワで 車が狙撃される所からです。舞台はモスクワ、シベリア、中国、アメリカと国際的です。

時間がないので、ちょっとづつ読みましたが、最初から、最後まで通して楽しめる、 娯楽大作です。1137ページもあります。

中国軍が、戦車でシベリアに侵攻します。米国と 露国とがとっても仲良くなる所が従来のスパイ物との対比で面白く描かれています。戦争の シーンは、同時多発テロ後のアフガン爆撃とだぶって読みました。アメリカ空軍が大活躍 するように描かれています。スパイ衛星から地上を見る少し前の設定から、一歩進んで、 超上空の飛行機から地上をリアルタイムで見ながらの作戦です。米露側は中国軍のタンクの 動き、兵隊の動きをリアルタイムで見ることが出来るので、結果は明らかなように、なります。

中国の高官が頭の古いタイプで描かれていますが、日本の政治家の程度と重なり、何とかして 欲しいなー。と上手に書かれています。中国政府がメディアに流す内容と、真実との伝わり方が 興味深い。アメリカ軍の上空からの映像をインターネットのページにリアルタイムで流して、 中国学生を目覚めさせる設定など、新しい発想です。

最後は、アメリカ人が狂喜する、 西部劇の結末のノリですが、最後の2つの単語にうんざりしました。お勧めです。
 
* * * * * * *Copyright1994
Debt of Honor     
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Jack Ryanシリーズです。U.S. President's National Security Advisorの肩書きで活躍します。残念ながら、今回の敵は 日本人のグループです。日本から想定される核攻撃を阻止するためにJohn ClarkとDomingo Chavezはロシア人のジャーナリストとして日本に潜入します。

サイパンに大きなビジネスを展開しているRaizo YamatoのDebt of Honorは戦死者であり、身内に対する感情であります。
 John ClarkとDomingo Chavezの活躍により追い詰められた日本人グループの一人Saitoは アメリカにてKLMジャンボ機をあやつり、レーダーをかいくぐりホワイトハウスにカミカゼ 突入を行います。
これも990ページある厚い本です。前半はややストーリーの展開が遅いので、読むのがやや 苦痛でしたが、後半は話しの展開がどんどん加速するので一気に読めました。
 
このDebt of HonorとExecutive Ordersは続き物です。両方読むと、2000ページを越える大作です。
 
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Executive Orders   Tom Clancy  Copyright1996
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Jack Ryanシリーズです。1358ページもあるこの本はDebt of Honorの続編です。Satoがホワイトハウスに突っ込んだところから話しが始まります。Vice PresidentになっていたJackは自動的に大統領に格上げになります。多くの議員が無くなって しまったため、国の運営がパニックに近い状態になりますが、Jackがひとつひとつ問題を解決 していく危機管理が描かれて行きます。アメリカ議会の弱体を見越して、イラン、イラクが好き 勝手なことを始めますが、これにもうまく対応して行きます。日本のKoga首相も好人物として 描かれているところに救われます。
 
ユニークな設定なので、どんどん楽しく読めます。日本はどうかなー。危機管理がなって いないよなー、と読んでいて思いました。
 
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Without Remorse     Copyright1993
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Jack Ryanシリーズです。主人公は John Clarkです。Rainbow SixはJohn Clarkが完全な主人公になっています。ここでは、John Clarkが少し若く、 John Terrence Kellyとして活躍していた時のストーリーです。Rainbow Sixを読んで面白いと思った人は、これを
読む必要があります。P768とこれも厚い本ですが。