Robin Cook

Robin Cookは医者であり、作家。Columbia Medical School卒業後、Harvardで医学トレイニング を行った秀才。

* * * * * * *Copyright 1999
Vector
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おすすめ度★★★★★

なんと、出だしでカーペット商人のJason Papparisが病死するが、原因はダイレクト・メイルに仕掛け られたAnthrax(炭疽菌)。死因は後にJackが突き止めることになるが。

1998年12月に書かれた この書は、現在では、Anthraxの予言の書として有名。ずばり、Anthrax(炭疽菌)による大量殺人を テーマにしたBioterrorismがストーリーになっている。

Anthraxを製造する犯人Yuri Davydovは元の Soviet biological weapons systemの従業員。アメリカン・ドリームを追いアメリカに 来たが、夢破れたタクシードライバー。帰国を決意し、アメリカにしかえしをしようと考えた。Yuriと バーで知り合った右翼団体のPeople's Aryan ArmyもYuriと組んで、アメリカ政府に一泡吹かせようとたくらんだ。Yuriのために必要な機材を かっぱらってくる。

良い者側は、Jack Stapleton とgirl friend のLaurie Montgomery。どちらもNew York 市のMedical Examiner。病院などで死亡の原因を特定できないなどの死者の死因を特定するのが仕事。

私はJackが好きだ。自転車に乗って通勤しているという単純なところだが。JackはJasonの死因を やすやすとAnthraxと特定するが、その後の警告にもかかわらず、市当局の動きの悪さから、自分で 自転車を乗り回して調査に出かけてしまう。そのために、一度ならずもYuriと出くわすのだが。

文章は、医者が書く文体のためなのか、きっちりしているが、和やかな所が少ないままストーリーが 進んでゆく。1つの文章が長く複雑になる傾向がある。基本動詞GETの書き物をしてたので、出てくる GETをすべてチェックしていたら、この本1冊を読むのに1ヶ月かかってしまった。

この種の物語を、Medical Thrillerというらしいが、なるほどねー。Medical Mysteryとしてよく出来ていると思います。

タイトルのVectorとは、ハエや蚊などのように病原菌を運ぶ媒体。また遺伝子工学で使われる場合は、 遺伝子工学で作られた因子で、ホスト細胞に入り増殖する性質があるものをVectorと言うのだそうです。

炭疽菌の犯人もきっとこの本を読んだに違いない!!