Robert T. Kiyosaki

2006/4/11

Rich Dad, Poor Dad

Copyright 1997
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おすすめ度★★★★★

Sharon L. Lechterさんとの共著でベストセラーになったビジネス書です。「ニューヨーク・タイムズ」ベストセラーでも第1位になっています。日本語 訳本の題は『金持ち父さん、貧乏父さん』です。

ストーリー:
 学校では教わらないけれども人生にとって大切な資産形成のための勉強を伝えようとする本です。

学校で良い成績をとって、良い仕事に着けば良い、というコンセプトは古い考えです。子供達にはもっと洗練された学習方法を伝えるべきです。それは Financial Intelligenceです。

物語では、主人公の父親は高学歴で学校の成績優秀な人ですが、いつもあくせくと働いていないと家計の維持やローンの返済が出来ない状況にあります。高学歴の両親をもっても、ほどほどの富をもっている多くの家庭がこの高学歴の両親のような生活をしています。これがPoor Dadです。

一方で、友人の父親は店をいくつも経営していて余裕のある生活をしています。これがRich Dadです。

Rich Dadは主人公が子供だった頃に友達(Rich Dadの子)といっしょに資産形成の勉強を教えてくれます。最初は子供達に店を手伝わせてアルバイト代を払うことから始まりますが、Rich Dadが巧妙に自分の子供とその親友に資産形成の実地の学習をさせていたのです。

主人公も友達も大人になって大きな資産を形成します。主人公は不動産の売買で財産を形成したことが公開されます。

各章は、それぞれがLessonになっています。 Lesson One: The Rich Don't Work for Money。これは良い会社に入って、良い仕事に着くことを考えているだけではだめ。それはお金のために働くことになり、自己実現のために自分のために働くこととは違うと言っています。

Lesson Two, Why teach Financial Literacy? これは学校の成績が良く勤勉な人物でもFinancial Literacyの心得が無いと、一生あくせくと働くだけで終わってしまうことを言っています。学校ではFinancial Literacyを教えないので、自分で習得するか、Literacyを持っている人から教わりなさいと言っています。

 

感想:
  日本語ではそれほど興味を惹かれなかったので、ざっと流し読みをした程度 でした。興味を引く表紙ですが、中を見ると漢字がならぶビジネス書に思われました。ところが書店で英語を見たときに引き込まれました。 それは英文が簡潔でイメージがわきやすく、そのまま頭に入ってきたからです。たとえば前書きの第1文です。

Dose school prepare children for the real world?
 いま学校で、子供達が実社会に出るための準備が十分になされているだろうか?

これは共著者であり母親であるSharonの子育てで持った疑問です。というか、学校に行っている子供が持った疑問です。「Why should I put time into studying subjects I will never use in real life?」

この疑問は万国共通です。もちろん日本の小・中学生、高校・大学生にも当てはまります。これに対するSharonの反論は「If you don't graduate form college, you won't get a good job.」というものです。これは日本の家庭でも同じです。

ある日、Sharonの夫がRobert Kiyosakiと彼が開発中のCASHFLOWというゲームをシャロンに紹介します。それは貧乏人のサイクルから、金持ちのサイクルに入るゲームです。

英語で以上を本屋で立ち読みしてから面白そうなので購入しました。読んで良かったと思える本でした。ビジネス書ですが、子供にFinancial Literacyを持たせなさいというメッセージを子供が学び成長して成功しているストーリーを通して伝わってきました。

子供には「勉強をしなさい!」というだけではダメで、資産形成に関しての成功談・反省の言葉をうまく伝えてあげることでFinancial Literacyを持たせることにつながると感じました。