PO BRONSON

2006/5/20

What Should I Do With My Life?

Copyright 2002
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おすすめ度★★★★★ P434 2006/5/19読み終える

自分のキャリアについて深く考えたり、悩んでいる人にはお勧めしたいので星5つです。単なる読み物としては星4つかもしれませんが。

洋販の本の帯の宣伝文です。
自分の生き方くらい、自分で決めたい!
「このつまらない仕事を辞めたら、僕の人生はかわるのだろうか?」
「人生において、自分は何を求めるのか?」仕事?夢?家族?お金?恋人? 
本当にやりたいことを探し続け、その答えを求めた人々の物語。決して“特別”
ではない普通の人々の生き方をまとめたノンフィクション。

 

ストーりー:

著者がインタビューした約50人の仕事、キャリアについて分類して紹介したものです。ひとりにつき6-10ページで紹介があります。

インタビューは8つの章、つまり以下の8つのSectionsで並んでいます。それぞれの人のドラマが有るわけですが、自己実現の状況によって順番に並べたところがこの本の特徴でしょうかね。

Section 1: The people who are struggling with the essential paradox of trying to make a "right" decision in the absence of experience.

Section 2: The people who are overcoming traditional Class notions of where they belong.

Section 3: They're learning to resist the temptations that have distracted them from their true aspirations. The modern economy tends to toss us around like a hot potato, while we'd usually prefer to settle down and stay put.

Section 4: The people who have found ways to resolve that inherent conflict.

Section 5: They're getting to know themselves as people first, then struggling with what that means for their career mission.

Section 6: The people found their right place or environment, which led in turn to greater insight.

Section 7: This section is the lingest in the book. It recognizes that we make our choices with our family in mind.

Section 8: The people demonstrate the virtues of patience and persistence.

 

感想:

キャリア・カウンセリングにかかわる人に紹介したら喜ばれそうな本だと思いました。ただし、アメリカ人のキャリアの話なので、日本ではそのままは適応できないと思います。考え方のエッセンスは日本人も英米人も同じ人間なので、共通だとは思いますが。また、英米人の仕事観を知るにもよいかもしれません。

良く言うと情報量が多くてお買い得なのですが、文字がびっしりと小さいので、約50人を全部読むのは大変です。私は最後の数人はとばしました。こんなに文字が多い本は読めないけれども、興味があるという人はIntroductionの8ページと、最後のClosing Remarksの9ページが優れているので、ここだけでも読むとよいでしょう。

#1 New York Times Bestsellerになったことがあるようですが、このIntroductionとClosing remarksが人の心をつかんだのでしょう。たくさんの人のキャリアの紹介にはさんで、著者のキャリアと人生観がところどころにあります。著者の知名度が上がってから多くの人々とインタビューを続けたようです。900人の人たちとメイルや電話でやり取りをして、そのうちの70人とは特に親しくなったそうです。この本にはそのうちから約50人が登場します。

これらの人々は、著者に自分のことを話すことで、気持ちの整理がつき、人生の大きなDecisionができたと感じているようです。そしてインタビューを通して著者自身が大きく変わったと言っています。教えることは、学びなおすこと。真剣に聞くことが相手を動かし、自分も変わることになる、というメッセージが 人の気持ちを動かしているのかも知れません。

Closing Remarksでは著者がDELLコンピューターが主催した Business Councilの講演者の一人として招かれたことが書かれています。100人規模のCEOを相手にしたこの会議では、いかにして職場の生産性を上げるか、どうしたら良いアイデアを出してもらえるかというテーマで、flextime, day care, free M&Ms, stock options, private offices等々が話されたようです。

著者のスピーチでは "What do people really want?"にフォーカスして話したところ、それまで暗くなりかけていた会場のムードが明るくなっていくのを感じたそうです。

「They want to find work they're passionate about. Offering benefits and incentives are mere compromises. Educating people is important but not enough. We need to encourage people to find their sweet spot. Productivity explodes when people love what they do. We're sitting on a huge potential boom in productivity, which we could tap into if we got all the square pegs in the square holes and the round pegs in the round holes.」

「自分の気持ちに素直になれる勇気。」についてしばし考えさせてくれました。サクセスストーリばかりでないのも良いと思いました。