Mich Albom

2010/3/28
2007/6/10

Tuesdays with Morrieの作家がMitch Albomです。

have a little faith


* * * * * * *Copyright 2009
おすすめ度★★★★★

物語:Non Fiction

Tuesdays with MorrieのAlbert Lewis版に置き換えたノンフィクションです。
先をいそがないように、じっくりと読みました。読み進めるうちに、
Mitch AlbomにはやはりNon fictionを書いてほしいと思わせる作品です。

Tuesdays with Morrie以降に書いた本は皆Fictionに分類されています。
 
 この本は、Albert Lewis牧師から「eulogy」を依頼されて(2000年当時82歳)から、
牧師(本の中ではRebと呼んでいる)が亡くなるまで(2008年、90歳)のAlbertとMitchの
会話が、骨格です。Morrieの会話が重なってイメージされました。
  Eulogyとは、お葬式で死者に対して生前の人物と業績への賛辞を語ることです。
  Rebとは、ユダヤ教でユダヤ人に対してつける敬称の「様、殿」です。


 もう一人の登場人物が、Henry Covington
彼は典型的なチンピラで悪いことをやりほうだいの人物です。
章が進むにつれてどんどん悪い人物になる様子が書かれます。

 本の構成は、Rebの章とHenryの章が交互に出てくるので、最初の50ページは、
まずHenryの章だけ先に読んでから、Rebの章を続けて読みました。
50ページ以降は、ページの順に読みました。著者の意図とは異なりますが、
そのほうがストーリーを追いやすかったからです。
 また、1つの章を読みながらチェックしたい単語に赤線を引き、その章が
終わったら、赤線を引いた単語を辞書で確認しました。こうすると脳の深いところに
単語のイメージが入って行くことを感じました。60歳を過ぎても記憶力が上昇する
ことを自分に対して説得したいからです。
(悪あがきかもしれませんが、あきらめてはいません。)

 Rebは歌うことが好きで、Mitchとの会話でも、歌いながら答える楽しい人物。
Mitchは「eulogy」を依頼されてから頻繁にRebのOfficeを訪問するようになります。
Mitchが子供のころ通わされていた教会の牧師のAlbertのことを全然知らない
ことに気づき、eulogyに必要な背景を知ることが動機でしたが、だんだんRebの
人柄を慕うようになります。

 Morrieにしたように、神を信じると言うことはどういうことなのかを、素朴に質問
するようになります。
Why do bad things happen to good people? (P80)
But so many people wage wars in God's name.(?) (P91)

 Henryは本の後半に改心して、崩れかけた教会をまかされてHomelessを
支援します。MitchはHenryに偶然会い、過去を知り、探るように近づきます。


Rebが以前行ったSermonが格言のようにコラム的に配置されています。


●心のヒーリングに関する本は沢山出版されていますが、それ以上に癒された
本です。特に、Tuesdays with Morrieに共感した読者に対しては癒す作用が
強く働くと思いました。

 もちろん、最後に6ページにわたるEulogyが記述されています。

 著者の以下のチャリティの配慮も良いと思いました。
  Per the tradition of tithing, one-tenth of the author's profits on every book
sold will be donated to charity, including the chrch, synagogue, and homeless shelters in this story.





for one more day


* * * * * * *Copyright 200
おすすめ度★★★★★

物語:


 主人公は、Charley Benetto。1度自殺をはかり、幸運にも生還したもと野球選手。

物語のはじまりは、MitchがCharleyにインタビューをする所から始まり、Charleyの話が物語の中心になります。自殺を図った日に、(夢で)母と再会したときの話が中心となります。そして、最後にふたたび、Mitchがその後のCharleyのことを、物語のシメとして語ります。良く構成されています。

Charleyは父親の期待に答えようとして、野球に打ち込み、メジャーリーグにはいり、ワールドシリーズの経験もしました。あまり、活躍はしませんでしたが。野球を引退した後は、セールスの仕事につきましたが、うまくいかず、仕事を転々と変え、酒に浸るようになってゆきます。ついには、妻に逃げられ、娘からも見放されます。人生のどん底まで落ちたCharleyは自殺しようと、車で出かけてトラックと正面衝突します。それでも死に切れずに、高い貯水タンク(子供の頃によくのぼった)から飛び降ります。意識を回復したCharleyは自宅に徒歩で帰ると、そこで亡くなったはずの母親に迎えられます。物語の中心は、そこで母親と過ごした、ごく普通の1日、朝食、昼食、夜食の出来事。ときどき挿入として、Charleyが子供の頃の母親の思い出が語られます。

Charleyが成長してゆく過程で、母親が何をしてくれていたのか、知らなかった両親の関係、親戚の様子などが次第に明らかになっていきます。

 

感想:

今回は、読んだのではなく、CDを聞きました。3時間半の朗読です。朗読を超えた、語りかけなので、感動しました。本を読むよりも感動したと思います。アメリカではAudio Bookがさかんですが、なぜ好かれているのかがわかりました。本を読むよりも、面白かったり、感動するからです。また、ハードカバーと比べると安いことも普及の原因かもしれません。日本で買うときは、ペーパーバックと比べても、それほど高い感じがしません。日本では、日本語のAudio Bookがまだそれほど普及していないようですが。

CDをMP3にして、「iriver」で持ち歩いて聞きました。本を開く必要が無いので、歩きながら聞けることにも重宝しました。(携帯Playerはなによりも、電池の持ち時間で選んでいます。「iriver」は毎日1時間以上聞いても、1ヶ月以上電池が持ちます。)

Mitch Albomの語りは、情景があざやかに浮かんでくるので、映画を見ている以上に楽しめました。

Charleyは子供の頃、父親に「You can be a mama's boy or you can be a daddy's boy, but you can't be both」と言われたことを信じて、父親の側につき、父親の期待に答えようとします。母親に対しては特に愛情を表現しようとはしてきませんでした。

自殺を図った日に、自宅で母親と24時間を過ごします。Mitchは「Ghost Story」と言っています。母親は、昔していたように、ごく普通にCharleyに朝食、昼食を作ります。Charleyはもっと母親のことを知っておくべきだったと、母の死後考えていました。Charleyばかりでなくて、誰でもそのように思うはずです。偶然与えられた、母との1日から、Charleyは母の苦労を知ります。最後の別れ際に母は、「生きなさい」と言います。

その後、Charleyは、自分がこわした、娘との関係、別れた妻との関係、親戚との関係の修復に努力します。その様子が短く語られます。

50代以降の人には、身につまされる本だと思われます。文字では、なんとなく読むことに抵抗がありましたが、CDで聞いて感動しました。

 

「なんのために英語を勉強したら良いのですか?」と良く聞かれます。

また、英語の質問をされて、あまりにも細部にこだわっている人がいると、「この人は、なんのために英語を学習しているのだろうか?面白いのだろうか?できれば楽しくやってほしい。」と感じることがあります。

このCDを聞いて、すなおに感動しました。感動できる自分が居ることに感慨深いものを感じています。いつかは、こういう感動が得られるからと信じて、私は英語の学習を続けてきたのだと思います。学習の道のりは、長いものですが、その道のりのほとんどの景色も、楽しみながらとおってきました。

どうして、できたのだろう?と考えると、「英語の音に興味を持った。」ことが良い結果につながったのだと思います。発音に興味を持ったのは、私の10代の前半です。だから、それから40年以上経った今、発音の宣教師てきなことも、楽しみながらできると感じています。

 

なぜ、もっとAudio Bookを聞かなかったのだろう!と後悔していますが、今からでも遅くはない!皆さんにも、おすすめしたいと思います。

 

The five people you meet in heaven


* * * * * * *Copyright 2003
おすすめ度★★★★★

物語:

この本のストーリーは読む前に知ると、感動が半減すると思われるので、少しだけ書きます。主人公はEddie という83歳の老人です。彼は、Ruby Pierという、昔から浜辺にあるamusement partのコースターなどの機械のメインテナンスの仕事をずっとして いました。話は彼の死の50分前から始まります。30分前、26分前、19分前とカウントダウンしてゆきます。

* * * * *Skysoftのこの本の紹介です。
「ベストセラー『Tuesdays with Morrie』の著者ミッチ・アルボム待望の新作。
主人公エディーは、遊園地でアトラクションの補修の仕事をしている。ボルトを
締めたり、油を注したりを繰り返す単調な日々。年老いた彼は、自分の人生が
無意味だったと感じている。だが、83歳の誕生日に幼い少女を救おうとして
命を落とした彼を天国で待っていたのは、それぞれに彼の人生の一時期を知る
5人の人々だった。少年時代から軍役中、そして現在に至るまで、地上での
彼らとの関係がわかるにつれて、彼の人生の本当の意味が解き明かされてゆく…」
* * * * * * *

Eddieは死後の最初にBlue manに会います。Eddieの子供のころにBlue manとある関連がありました。Blue manは誤って治療のために飲んでいた薬のために肌がBlueになり、人生を転々として Ruby Pierの見世物Showに出ていたのです。EddieはBlue manから天国で5人の人物に会うことを告げられます。

Eddieはやむなく、父の働いていた、Ruby Pierで父と同様のメインテナンスの仕事をしていました。自分の人生を意味の無いものだと感じていました。

感想:


Tuesdays with Morrieに感動した読者ならば、私に限らず期待する一冊だと思います。Morrieが実話に基づいているのに対して、こちらはFictionです。しかもファンタジー的な天国の様子です。

Eddieは天国で自分の人生に関係した5人の人に会い、自分以外の視点から自分の人生をもう一度見る機会を与えられます。厳格すぎて好きでなかった父の最期の様子も知ることが出来ます。作者の平易でたくみな文章により、まるで自分が天国に連れて行かれたような感覚で読み進むことが出来ます。

この天国のコンセプトは作者の叔父さんがEddieの子供のころに話してくれた、「病院で目を覚ますと、枕元で、死んだ妻がベッドにすわって私が来るのを待っていた。」という話をふくらませたそうです。

特に私の年代以上の人が読むと、いろいろ考えさせられると思います。4人目が妻のMargueriteですが、その会話を読み進むと思わず涙が出てきます。

自分が死ぬ原因となった落ちてきたゴンドラから少女を救おうとして、意識の最後に感じた女の子の手は、 Eddieを天国に引っ張ってくれたのだと言う風に私は解釈しました。意外な女の子が最後に出てきますが、 Eddieの人生がとっても大きな意味を持っていたことが女の子により開示されます。。

 

* * * * * * *

Tuesdays with Morrie

 * * * * * *Copyright1997
おすすめ度★★★★★★

2007年の6月にCD版で、著者のMitch Albomが語りかけている音声を聞きました。とても感動したので、報告します。私がTuesdays with Morrieを知ったのは、1990年代の終わりに、会社の帰りにカー・ラジオで聞いたAFNのMitch Albom本人の声からです。ちょうどMitchが日本に来ていて、その後NHKにも出ていました。スポーツライターとして、働き蜂だったMitchが、人生について考え、その後の彼の人生を変えた、恩師Morrie先生との出会いが話されました。

NHKでは、死について見つめることの新しい考え方として、この本が紹介され、Mitchが大学の先生(日本語ペラペラのアメリカ人)とのインタビュー、そしてMorrie先生本人の生前のインタビューなどが紹介されていました。

私は、本が書かれた背景を知ってから、いよいよ英文で、Tuesdays with Morrieを読んだのです。そして、通勤電車で読んでいて、涙がぼろぼろと出て困りました。

 

物語:


作者の実際に体験したことを書いています。スポーツ・キャスターとして活躍し働き蜂の作者が、 TVで学生時代の恩師が映し出されたのを見ます。恩師Morrieは死に至る病にあったのです。

何年ぶりかで、Mitchは恩師を訪ねます。ところがMorrieが病身であるにもかかわらず玄関まで出迎えてMitchを待っていてくれたMorrieを平気で待たせて、車で到着したにもかかわらず携帯電話で話していた自分に後になって恥じ入ります。

The first Tuesday: We talk about the world

The second Tuesday: We talk about feeling sorry for yourself

The third Tuesday: We talk about regrets

The fourth Tuesday: We talk about death

話は毎週続きますが第14週で終わります。

 

感想:

私にとっては、感激の涙なしには読めなかった本なので、誰にでも勧めています。文章もとてもやさしいし。電車で読んでいても涙がぽろぽろ出てきて、はずかしかった思いをしました。

 

2007年6月に、著者が朗読しているCD版をamazonから購入しました。

Mitch Albomはもと、スポーツ・ライターで、著書のヒット後は、講演をたくさんしているために、話しはじょうずです。このCD は、自分が経験した実話なので、ものすごく説得力があります。話すスピードは、やや速めです。男性が早口で話すときの速度ですが、ほんの少しゆとりを持って話しています。したがって、上級者用ですが、中級のチャレンジしたい方にもじゅうぶんおすすめできます。この音声には、聞く人をひきつける力があるので、中級の人にも、聞ききとれると思います。

 

この本は、私が電車で読んでいて、涙腺がウルウルして、恥ずかしいぐらいに心を打たれた作品です。それ以来、読まずに死ねない本として、誰にでもすすめています。またジャック・レモンが主演した映画もとても感動的です。映画は2時間です。じっくりと物語を語るためには短い時間ですが、映像から受ける感動は独特のものがあります。ぜひ一度ご覧になることをおすすめします。

 私は、@本を読み、A映画を見て、BCDも聞きました。どれもそれぞれの味があるので、すべておすすめです。たいていは、映画よりも原書のほうがイメージがわいてきて好きなのですが、このMorrieに関しては、どれも好きです。CDは4枚組みで、4時間もあります。映画の2時間よりは、ゆっくりと丁寧に感傷に浸ることができます。あえて、ベストを決めると、いまのところCDです。表情豊かに語る人間の声にひきつけられるからです。

CDは特にミッチが演じるモリー先生がすてきです。モリー先生の話のときにはMitchは声をしゃがれ声にして、モリー先生にそっくりな話し方をしています。涙を誘うようには読んでいないのですが、やはり最後に近づくにつれて、涙腺がウルウルしてきます。CDの最後には、生前の本物のモリー先生の声が入っています。

また、このCDを聞いた後は、毎回なぜかとても癒された気持ちになります。

 

本で私が大好きな章は第10週です。Mitchは妻のJanine(歌手)をMorrieのところにつれて行きます。Morrieに請われてJanineは The very thought of you を歌います。この情景がいつ読んでも感動させられます。

友人にもすすめています。英文が読んでいて優しいという感想をもらいました。全員が読んで良かったと言っていますが、ひとりだけ中だるみをしたという辛口の批評もありました。でも最後には感動したそうです。