Louis Sachar

* * * * * * *Copyright 1998
Holes
* * * * * * *
おすすめ度★★★★★
2005/1/22読完了 P 231

ストーリー:
突出して面白いので、ストーリーを知らずに読んでください。
大人ではなく、子供向けに書かれた本ですが、大人向けの
ペーパーバックとしても完成度の高いストーリーになっています。

主人公の少年はStanley Yelnatsで、後ろから読んでも同じと言う
しゃれたスペルになっています。彼は、チャリティに出された
野球選手のスニーカーを盗んだと言う疑いで、砂漠の中の少年院に
送られてしまいます。

この少年更正施設の名前はCamp Green Lakeですが、100年間雨が
降らなかったので、湖は無くなり、砂漠化しています。ここでは、
少年たちに日課として穴(a hole)を掘らせています。穴掘りのスコップ
の長さと同じ直径5フィート、深さ5フィートの穴です。
この本のタイトルはここから来ています。

Stanleyの初日は朝4:30に起こされ、朝食のあとさっそく穴掘りを
はじめます。太陽が昇りじりじりと照らす前に穴掘りを終えると
いう習慣ですが、体力の無い彼は一つ目の穴を暑い太陽の照るなか、
血豆を作ってようやく掘り終わります。
日がたつにつれ仲間の不良の子供たちとの友情が芽生え、体力もつき
逞しくなってゆくStanley。
実はこの穴掘りは所長が宝物を堀り当てるために命じていたのだった。

感想:
「大人がペーパーバックを読み始める第1冊にまさにぴったりの本だ!」
とまず思いました。ストーリーがメチャ面白い。面白い以上です!
英文もやさしくて読みやすいので、みんなに片っ端からすすめようと
思います。

全部でP231なので、はじめてのペーパーバックとしては少し長い
のですが、これを読んでからペーパーバックが病みつきになった、
という人も多いようです。

子供用には、年齢に応じてレベルを分けたgraded readersという
本がOXFORDやPENGUIN社から出ています。ペーパーバックが難しい
人にはまずgraded readersで英文読書の練習をしてから
ペーパーバックに進むと成功します。
いつペーパーバックを読み始めたら良いのかという大きな疑問に
この本が答えてくれました。
「この本が読めたらgraded readersは卒業してペーパーバックを
読みなさい!」と自信を持ってアドバイスできます。

ストーリーのエンディングは、Stanleyの祖父のさらに祖父が昔この
あたりに来たこと、少年院の看守の経歴などさまざまなパズルが最後に
見事に組み合わさる、天才的なものです。