Lilian Jackson Braun

ネコ好きの方には超おなじみの The cat who xxxシリーズです。
The cat who シリーズはすでに20冊以上が出版されています。
作者のLilian も2匹のシャムネコを飼っているそうです。
(Saimese cats, Koko III and Pitti Sing)

物語りに出てくる2匹のネコの名前は、Koko(オス)とYum Yum(メス)です。事件解決に 参加するのはKokoの方です。

どの本もNew York Timesのベストセラーになっています。
アメリカでは大変好まれているようです。

どの話も設定は同じです。
最初のページに物語の場所がMoose County, 400 miles north of everywhereと紹介されます。Qwillが住んでいるのは人口3000人の Pickax Cityです。主人公は、独身の資産家のJames Mackintosh Qwilleran。彼は Columnist for the ”Moose Copunty Something”紙のコラムニスト。コラム名は、Qwill Pen

Qwillはコラムを書いている性質上、事件が発生すると持ち前の情報収集能力と問題 分析能力を使って事件の解決に寄与します。話を面白くしているのは物語に出てくる人々と、 Qwillの接し方、かかわり方です。

QwillはマチュアーなGentlemanとして描かれ、読者はゆったりとした気持ちでストーリー を追うことが出来ます。Qwillはコミュニティの人々をいろいろな面からサポートします。 作者と読者の理想的な生活パターンに対する願いが少し込められているところが、みんな から好まれる原因でしょう。

事件の解決となるヒントはKokoが教えようとします。その方法は多くの場合「本」です。 Qwillは本好きでたくさんの蔵書があります。 KokoはQwillとのコミュニケーションのため には、棚の本を落っことして、そのタイトルでメッセージを伝えようとします。

* * * * * * *Copyright 2001 50,188語
The Cat Who Smelled a Rat
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おすすめ度★★★★☆
この a Ratは猫に対するねずみと想像しましたが、読んでみると、むしろ悪者の意味です。 「悪者を嗅ぎ分ける猫。」という意味になるのでしょう。

今回は、記録的な日照りが続いたMoose Countyが舞台です。季節は冬に入り、からからな天気の 解消のために雪の降るのを皆が待ち望んでいるところです。人々は、自然出火などによる火事を 心配しています。

Qwillの好きな本屋の主人が無くなり、遺言にこの本屋をQwillに譲ることになっているという話が Qwillの耳に入ります。ところがこの本屋が火事になり焼失してしまいます。この家に住んでいた 猫が奇跡的に助かったため、Qwillは放火を疑います。だれかが本屋に入ってきたために、猫は そのすきに外に出たと推測しました。

次の事件は、Qwillが初めてカーリング(スケートリンク状の氷の上に石を滑らせるゲーム) 試合を見に行ったあとに起きます。カーリング場で最後に片付けをしていた青年が、足を滑 らせて階段から落ち、打ち所が悪く、死亡します。

最後に、Qwillが事件のなぞを解き、雪も降り始めます。Kokoは時間のたびに部屋中騒ぎ周り、 ものをひっくり返します。Koko can smell trouble a mile away.今回出てくる本はエジプトに 関するものです。これもなんとなく事件に関係します。

ほのぼのとした作品です。

 

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The cat who saw stars Copyright 1999 56516語
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おすすめ度★★★★☆
つまらなくはないのですが、すごく面白いものではありません。雰囲気が好きです。落ち着いて ゆったりと読むことができました。そこが特定のファンを引き付けてベストセラーになっている のでしょう。

ストーリーは若いBackpackerが行方不明になるところから始まります。Mooseville 界隈ではもっぱらUFOに連れ去られたとのうわさが流れます。QwillがSummer Holidayに滞在した湖の湖畔でKokoがBackpackerの埋まった遺体を見つけます。フロリダ から移り住んでいたOwen Bowenが湖の船上から落ちて行方不明になります。

The Cat Who Saw Starsは"Cat Who"シリーズの21冊目だそうです。 このシリーズは一応ミステリーだそうです。特に大きな事件は起きませんが、登場人物が 楽しく、親しみが持てます。2匹のシャムネコが輝いています。このシリーズはどれも 昔からの親しい友とゆったりと語り合うような雰囲気があります。

猫が好きな人には文句無くお勧めです。

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The cat who sang for the birds  Copyright 1998 62,358語
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おすすめ度★★★★★

2冊目からは様子がわかっているので楽しめます。
事件は、一人暮しの93歳のおばあさんが一人で住んでいる納屋が焼けて彼女は焼死して しまいます。火事の直前に彼女の土地が安値で売られています。

話はさておいて、この物語にはスペル コンテストが出てきます。10チームがトーナメント制で対戦します。Qwillが練習用に集めた 単語がありますので以下にリストします。アメリカ人から見たスペルを間違えやすい単語の リストです。

1) To E or not to E? That is the question.
 Believable knowledgeable
 seize, siege, sieve

2) confusion over single and double consonants
 raccoon, vacuum
 embarrass, harass
 exaggerate, belligerent
 lassitude verisimilitude
 confetti, graffiti
 irrational, irascible
 parrot, pirouette

スペルコンテストは、はじめのうちはちっとも盛り上がらなかったのですが、Qwillの 提案で、野球のチームに真似て、チーム名、Tシャツ、トーナメント、ワールドシリーズ というふうに大会の進め方のアドバイスをしたおかげで大成功をおさめます。

事件も無事に解決します。題名は、Kokoが 鳥の鳴き声を真似して、犯人を教えるところに由来しています。Kokoがまねる鳥はきつつきです。
ちなみにきつつきの鳴き方は、Kek-kek-kek-kek-kekです。どういう感覚なんでしょうか。

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The cat who tailed a thief
Copyright 1997 63,186語
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おすすめ度★★★★☆

私が読んだ初めてのネコちゃんシリーズです。
ネコが前面に出てくるのかという私の予想と違い、主人公のJim Qwilleran (Reporter)を中心とした、彼の住むMoose County(田舎町)の日常生活に起こる 事件の話しです。私が読んだ このシリーズの1冊目なので、シチュエーションに慣れないせいでしょう、評価は★★★★☆です。 次からはたぶん★★★★★になる予感がします。たぶんLilianの住んでいるところもこんな感じ なのでしょう。

ストーリーは本の裏に英語で紹介されているので そのまま載せます。
There's been a rash of petty thievery in Pickax-ever since banker Willard Carmichael and his flashy young wife, Danielle, moved in.

But now Willard's been killed in a mugging Down Below...or so it seems.
Qeull's suspicious, especially when Willard's house-restoration project in Pickax falls into the hands of Danielle's cousin-whose rich new wife then dies on her honeymoon!

The clues are as elusive as a cat burglar in the night,
But with Koko's help, Qwill intends to catch a thief-and a killer...