JOHN DUNNING

2005/4/20

The Bookman’s Promise

Copyright 2004
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おすすめ度★★★★★

邦題は『失われし書庫』です。この本の前に出版されたそれ以前のCliff Janewayシリーズの本の邦題は『幻の特装本』『死の蔵書』ですが、以下のどれがどれでしょうか?

ストーリー:
主人公は現在古本屋をいとなんでいるCliff Janewayです。オークションにてかなりの金額で、探検家リチャード・バートンの幻とされていた 本を入手したクリフのところに、その本は私の書庫から盗まれたものだという老婦人Mrs. Josephine Gallantがはるばる尋ねてきます。Josephineも、もう一冊リチャード・バートンの貴重な本を 持っていました。ところがJosephineは彼女を連れてきた親切な運転手のRalstonの家で宿泊している間に 老衰で死んでしまいます。死の直前にCliffにその本を渡し、60年ほど前に彼女のおじいさんCharlie Warrenが書庫に揃えていたリチャード・バートンの蔵書を取り戻して欲しいと依頼します。このことから、 タイトルの「The Bookman's Promise」が来ていると思います。

CliffはKokoという女性の精神セラピストがJosephineに催眠術療法で過去を語らせたTapeが存在する ことを知ります。Cliffは盗まれたとされた蔵書を探しに、Baltimore そしてCharlestonに出かけてゆきます。

感想:
前2作のコメントが短かったので、まとめて書きます。本作品は、前回の2作が、本が好きで本屋を始めて しまったCliffの目を通して作者が(きっと本が大好きなのだと思います。)本についての談義をたくさん 語っていましたが、今回はかなり抑えています。後半のかなりの部分が実在した人物の英国人の探検家 リチャード・バートンがアメリカの西海岸にCharlieと旅した時の記述に割かれています。 (リチャード・バートンに関してはサイトを参照。) 彼は、世界中を探検し、アラビアン・ナイト・千夜一夜物語やカーマ・スートラを翻訳した人として有名です。

今回は、Cliffがもと刑事の経験を生かしてはでな立ち回りも演じます。今回知り合った女性 Erinとの恋愛を予感させながら物語りは終わります。きっと続編がありそうですね。

会話も巧みです。とても楽しめました。おすすめします。前作を読んでいなくても楽しめるでしょう。

The Bookman's Wake

おすすめ度★★★★★

Booked to Dieが多くの読者の心をつかんだため、待ち望まれていた第二作 です。主人公は、第一作と同じCliff Janewayです。 存在しないはずのEdgar Allan Poeの隠れた初版本を探しているうちに、 高価限定版(百部位)を出版してきた家族に行き当たります。 その娘のEleanor RigbyとのBook-hunting、Printing Shop、活字など、今回は職人が本をつくる世界へと 案内してくれます。Eleanorの祖父の完璧をもとめた本作りへのサガが悲劇となりますが、この筋立てには読者の 賛否があったとしても、それ以外の描写は完璧です。

本を愛する人にはお勧めですが、本なんてと思う人にはいまいちかもしれませんね。

Booked to Die

* * * * * * *Copyright 1992 103,918語
おすすめ度★★★★★

本好きのDenverの殺人課刑事Cliff Janewayがあなたを希少価値本 huntingの世界に案内してくれます。これを読んだ後は、本を読む楽しさと、もっと本を味わい ながら読もうという気持ちにさせらてくれます。 結局Cliffは刑事をやめて、書店主(希少価値本、古書) に転職します。 パーパーバック読みの人には、本を読むということを深く考えさせられ、 読まないと損するくらいの価値ある本だと思います。

タイトルは、本のBookと「予約する」という意味のbook(つまり死ぬことが約束された)を使った しゃれたタイトルです。