Jennifer Weiner

2006/3/26

In Her Shoes

Copyright 2002
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おすすめ度★★★★★

邦題はそのまま『イン・ハーシューズ』です。2005年にキャメロン・ディアスが主演して話題になりました。 映画はまだ見ていませんが、この本のほうがずっと良いという予感がします。

 

In her shoes, in one's shoesの意味は、相手の立場になって(考えて)みるという意味です。

SPACEALCの英辞郎には以下のようにあります。:
(人)と同じ立場[境遇・地位]に身を置いて(みれば)
・ You can't know how other people feel until you are in their shoes. 人の身になってみないと、その人の気持ちはわからない。
Don't judge [criticize] a man until you have walked a mile in his shoes. 《諺》誰かを批判する前にその人の靴で1マイル歩け。/人を批判するときは、その人と同じ経験をしてからにしろ

ストーリー:
 主人公は妹のMaggie Feller(キャメロン・ディアス)28歳と、姉のRose Feller(トニー・コレット)30歳の物語です。Roseは法律事務所に勤めアパートに住むエリートのキャリアウーマン。Maggieはスタイルばつぐんでファッションセンスが良いのですが、遊び人で定職が無い、典型的なダメな女の子。MaggieはRoseのアパートに転がり込んできて一緒に住み始めましたが、Roseにとっては大迷惑。共通するのはDNAと靴のサイズだけ。Maggieはファッションセンスが良くないのですが、靴だけにはお金をかけて良いものを持っています。MaggieはRoseの靴を勝手に使うのですが。

Roseの数少ないボーイフレンドを取ろうとして事が見つかり、MaggieはRoseのアパートを抜け出し、一人暮らしを始めます。大学のキャンパスにもぐりこみニセ学生としての生活が始まります。

実はMaggieとRoseには疎遠になったままの祖母Ellaが老人ホームのようなところに健在でいます。ストーリーの後半はこのEllaの話の移ります。Maggieが実家を訪ねて、Ellaの存在を知ります。Ellaも重い腰をあげて、インターネットで孫娘探しを始めます。長い話をまとめると、EllaとMaggie、Roseが感動的な再開をし、MaggieはRoseに素敵なプレゼントをします。

感想:
  この本は、とても楽しく読めました。おすすめです。著者の2冊目のヒット作で、ヒットした前作は「Good in bed」というすごいタイトルです。英文は比較的に平易で、会話が豊富です。

会話が多いので、目で文字を聞くように読むことが出来ます。発音を習得してから読むと、読むこと自体がリスニングのトレイニングもできるタイプの本です。 この本を読む人は、ぜひその境地の体験に至ってほしいと願います。読んだあとにレンタルビデオで映画を見ることになりますが、楽しみです。恐らく、映画のほうが本で読んだよりも、奥行きと生活観が薄く感じられるのではないかと勝手に想像しています。本はそれだけ、想像をたくましくさせてくれるすぐれた文章になっているのだと思います。

自分をダメな人間と考えていたMaggieが大学で授業に興味を持ち始め、自己の探求を始めます。Roseはキャリア・ウーマンの道をすてて、フリーな生活を始めます。お互いに人生を見つめなおして変身したあとで、Ellaの存在により再 会します。Maggieは先にEllaのところに行き、引きこもり的な生活が始まります。EllaはMaggieのことが心配ですが、Maggieのファッションセンスが、ホームの老人達のファッションアドバイザーとして生かされ、だんだん引きこもりが改善されます。

安心して読める、ハッピーエンドの本です。心の動きも手にとるようによくわかります。読者が喜ぶところも良く心得ています。会話がテンポ良く書かれていてスピードに乗って読みきることが出来る良書でおススメです。