2005/4/20
彼女の作風の基調となるのは、ロマンティック・ストーリーです。
The Ugly ducklingなどのように、アクションとサスペンスがあり、男性でも十分に?楽しむことが出来ます。
The Killing Gameでは殺人犯に狙われながらも追い詰めるサスペンスが提供されます。
物語:
主人公はMelis Nemid、彼女は海洋研究家でイルカを2頭保護して飼っています。相手役の男性は、
Jed Kelby。Melisの育ての親のPhilはJed
Kelbyに助けを求めろと言い残してヨットの爆発事故でいなくなります。PhilもJedも過去に
文明があり海の下に失われていると言うMarinthという都市を見つけることに異常な情熱を
注いでいる人たちです。
悪役は武器商人のHugh Archer。彼はJedがMarinthが存在する証拠として発掘した、高性能の 武器の図面を渡すようにMelisを脅迫し始めます。資産家のJedはMelisにMarinthのヒントを求めて近づき、 やがて親密な仲になってゆきます。MelisはJedにMarinthのありかのヒントを教える変わりにArcherを 追い詰めることを交換条件に、一緒に冒険を行います。こう書けるように筋書きは案外単純です。
感想:冒険の要素を多く入れた女性のためのラヴストーリーです。とても面白いと思いましたが、 男性の作家が書いたスピードとパワーと武器の描写などを求めると、物足りないと思われるでしょう。 特に最後の方のMelisがArcherに立ち向かうシーンですが、どうも迫力に欠けました。ただし、 女性の視点からは、悪に立ち向かうシーンはあまりリアルでなく、男性に助けられると言う設定の 方が好まれるのでしょう。
会話が比較的多く、やさしいので読み易いと思います。 ArcherがMelisに電話でハラスメントにより、武器の書類を出させようとします。 会話が効果的に使われています。文字を目で見て、英語から直接英語の音を頭に響かせて 理解する練習に使える本だと思います。読んでいて音が良く頭に響きました。
主人公は、Elena Kyler、彼女の相手役は Sean Galen。 革命家の父に育てられたElenaは女性戦士で格闘技も凄腕に描かれています。彼女が住むのは南米の Colombia。麻薬取引を仕切っているChavezが悪役。Elenaには5歳の男の子Barryがいます。麻薬撲滅、 Chavez逮捕を願うForbesのもとにElenaからChavezをアメリカにおびき寄せるものがあるので、 アメリカに亡命を求めてきます。
Chavezをおびき寄せるものとは、Barryのことで、実はChavezの子でもあることが話の途中で 明かされます。ForbesはGalenを雇い、コロンビアにElenaを救出に向かいます。間一髪で、 Chavezのもとからヘリコプターにより脱出に成功し、舞台はアメリカに移ります。Galenが隠れ家 としてElenaを連れて行った野原の家には、やはり格闘技に優れたJuddがいます。しつこく Elenaたちを探すChavezはアメリカに乗り込んできます。
Elenaは独立心が強く、Galenの助けを拒み続けますが、やがて2人には引き合う心が芽生えて。 あとはいつものパターンです。
感想:
ストーリーはとってもおもしろいのだけれど、格闘技のシーンがたびたび出てきますが、
どうも表現がいまいちでした。そこで星4つ。二キータのような女性戦士を描きたかった
のでしょうが、残念ながら伝わってきませんでした。相手役のGalenも格闘技のマスターのように
描かれていますが、体の動きがリアルに描かれていません。ストーリーの展開が面白いので、
それに釣られて読みましたが、フラストレーションがたまりました。そんなわけで、
次に読む本は、男性の書いた格闘が出てくるものまたはアクション物が読みたくなりました。
これは、Eve Duncanを主人公としたシリーズです。彼女は頭蓋骨から
顔を復元する仕事・特技をもっているために、いろいろな事件に
巻き込まれます。この仕事をForensic sculptorというようです。
The Killing Gameが直接の前作にあたるので、まずはThe Killing
Gameを読んでから、これを読むことを強くお勧めします。
ストーリー:
Atlantaで静かな生活をボーイフレンドのJoe Quinn, 養子にした女の子
Janeと送っていたEve Duncanのもとに政府の高官Meltonから、殺人事件に
あった頭蓋骨から顔の復元を依頼されます。
Eveは拒否しますが、Meltonがしかけた心理的な揺さぶりにより、Joeと仲
たがいしてしまい
仕事を引き受けます。
JoeはEveの警護をEveの元ボーイフレンドのLoganに依頼します。
LoganはSean Galenを派遣します。
仕事場に指定されたのは教会。宿泊に指定された家の夕食に毒を
盛られます。何者かがEveの仕事を阻止しようとしています。
Eveを仕事に引き込むためにも殺人がなされていたことがわかります。
背後にあるのは、CABALという組織。このへんはRobert Ludlumが好んで
使う設定に似ています。
Body of Liesは復元した顔が、想定していた人物と違っていたからですが、
これ以上わかるとこれから読む人の妨げになるので…
感想:
ストーリーの細部までロジカルになってきています。このために私の
ような男性の読者でもほとんど違和感なく読むことができました。
逆に考えると、女性のためのラブストーリーはロジカルでなくても
女性には受け入れられていたのでしょう。ダニエル・スティール
もかなりロジカルでない作品を書くことがあります。
Publishers Weeklyの以下の書評はこのところをうまく表現したなー
と思いました。
"Johansen pushes the gender boundary in popular fiction,
offering up that rarity: a woman's novel for men."
ただし、JoeとGalenが良くできすぎです。
次の No One to TrustではEve Duncanは出てこないようです。Sean Galenが
出てくるようなので、これもシリーズのひとつでしょうか。
ストーリー
主人公は精神科医の Dr Jessica RileyとMelissa姉妹と裏の家業で多才なMichael
Travis。米国大統領のAndreasの娘のCassieがフランスのVasaroの邸宅にいるときに賊に襲われ
警備員等が殺され、Cassieが誘拐されそうになります。Cassieはどこからともなく現れたMichael
Travisに救われます。殺害を目の当たりにしたCassieは外界から心を閉ざし人に反応しなくなり、
Jessicaが治療の担当に当てられます。
Melissaは数年間Cassieと同様に外界から心を閉ざしていましたが、姉のJessicaの治療によりNomalな 生活に戻っていました。Travisは身を隠していましたが、Andreasが探し出し、Vasaroの犯人を 捕まえるまで、Jessica, Cassie, Melissa, Travisの4人が同じ場所で暮らし始めます。 Cassieは夜毎にNightmareで強く叫び続けますが、Travisに話しかけられることにより、 穏やかになります。CassieがNightmareにうなされている間、Melissaも同様に苦痛に襲われます。 CassieとMelissaはテレパシーでつながっています。
Cassieがなぜ心を閉ざしているのかを探り、元に戻すためにはVasaroに再びつれてゆく必要が あるとJessicaはAndreasに嘆願しますが、拒否されます。Travisはダイヤの裏取引のために アムステルダムに行く必要があり、Cassie, Melissa, JessicaとともにUSに匿われていた屋敷を抜け出します。
舞台はオランダに移り、フランスに移り、Travisの取引の関係で、裏社会の敵が明らかに なってゆきます。最後にはTravisはVasaroで敵に対峙します。
感想:
テレパシーが出てくるので少し現実離れのしたストーリーになってしまっていますが、
心理描写としては面白い設定になっています。ラブストーリーは後半になるとMelissaと
Travisの間で発展し、さいごにハッピー・エンドになりますが、JessicaはTravisの敵に
殺されてしまいます。Travisは裏家業の人間ですが、ラブストーリーにするために何でも
出来るスーパーマンにしあがっています。大統領が用意した邸宅から警備をかいくぐって
USからオランダに行ってしまったり。スパイ・アクション的なものを期待すると、大統領側、
敵側をかいくぐる行動が少し現実離れしています。そこで★4つにしました。楽しめるのですが、
主人公のMelissaとTravisの人物、心理、設定の描写が雑に感じました。
Final TargetとはTravisの敵が狙った、大統領家に代々伝わるWind Dancerという彫像です(だと思いましたが)。
ストーリー:
連続殺人の捜査の物語です。Georgia州のTalladega Fallsから9人の白骨が見つかります。捜査にはJoe
Quinnがあたります。Eve Duncanがこの物語の主人公です。彼女は療養のためにタヒチの南の島の
ボーイフレンドで実業家のJohn Loganのところにいますが、元恋人?のJoeが捜査に要請に行きます。
彼女は頭蓋骨から生前の顔を再生する専門の彫刻家です。実はEveの女の子Bonnieは、8歳のときに
連続殺人鬼のFraserにより殺害されます。Fraserは死体のありかを話すことを拒否したまま死刑が
行われます。それ以来子供の頭蓋骨があると、その顔の再生および加齢時の顔の再現を続けています。
9人の白骨のうちの一人は8歳前後の女の子ですが、Eveの元に届けられる前に、何者かに盗まれて
しまいます。同じころEveに、「犯人は俺だ。」と男から電話がかかってきます。
犯人のDomはEveをターゲットに電話をかけ、精神的な苦痛を加え始めます。孤児の10歳の女の子Jane MacGuireの殺害をEveにほのめかしたため、EveはJaneを探し出しますが、母親代わりのFayが 殺害されます。その前にDomはPhoenix, ArizonaにてDebby Jordanを殺害して埋めてしまいます。Debbyを探し出すためにSarah Patrickとゴールデン・リトリーバーのMonty(救助犬)が使われます。
感想:
この作品はきっちりとした捜査の物語に仕上がっています。女性の読者を対象としたラブ
ストーリー的な以前の作品と比べると、ストーリーおよび人物描写に飛躍が少なくなり、
より地に足が着いてきたと感じました。過去に何人もの殺人を行ったと思われるDomに狙われて
いることを感じながらも、心理てきな駆け引きに応じるEveの心理描写がうまい。ストーリーにも
しかけがあり、よく出来た作品であると、読み終わって感じました。
読み終わってから、前作があることに気づきました。The Face of Deceptionです。このストーリーはビジネスマンのJohn Loganが Eve DuncanにあるSkullから顔を再現してくれと依頼します。これも読みたいですね。
PhotojournalistのBess Gradyがメキシコの村で、ケミカルな方法による殺人事件に巻き込まれます。
彼女が目撃したのは、次の大量殺人のためのテストでした。
And she has no choice but to stop it-or die trying.
これも楽しめました。「お気楽ペーペーバックの楽しみ」の書評では、Johansenの作品 「And then you die」がひとつ取り上げてありますが、ストーリーに厳密さが欠けていると書評 されています。私も同感です。話はとっても面白いんですがね。
時代設定は古く、1188から1193年の戦士Lord Wareとはじめは囚われのヒロインTheaの恋愛・ ストーリーです。美男美女が出てくるロマンスです。どちらかというとエンターテインメント的な 作風だと感じました。楽しめましたが。
銀行家の平穏な妻であり母のNellの家族が殺害のターゲットになります。一命をとりとめ、 整形手術で美女に生まれ変わったNellは、さらに命を狙う敵に対して、武術をマスターしfight back することを決意します。
はじめて読んだIris Johansenです。ストーリーの展開が映画を見るようで、十分楽しめます。 アクションが多く、まるでスティーブン・セガールのハード・トゥ・キルの女性版のようです。
このあとで読んだIris Johansenの作品の中には、ロマンチックな面が強すぎて、単調なものも 多くありますが、この作品は男性にも強くお勧めできます。