IAN CALDWELL & DUSTIN THOMASON

2005/5/18

The Rule of Four

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おすすめ度★★★★★    (2005/5/18読了)

Dan Brownの「Da Vinci Code」に並んで本屋に置いてありました。邦題は「フランチェスコの暗号」新潮社です。謎解きが似ているから同類に考えられているのでしょうか。

ストーリー:

場所は1999年のNew Jersey州Princeton大学です。主人公は私Tom、学友のCharlie, Gil、秀才のPaul、そしてTomのGirl friend, Katie Marchandです。彼らの大学生活が描かれています。Paulが卒論で選んだのは500年前の1499年ごろに出版されたラテン語題 Hypnerotomachia Poliphili 英語に訳すと「Poliphilo's Struggle for Love in a Dream」という意味になるタイトルを持った本の分析です。本の内容は建築学から動物学など様々な夢に関連した長い物語です。この本には裏に暗号化された秘密が隠されていると考えられています。

実は、この本にはTomの父親が取り付かれて家庭をかえりみずに崩壊になりそうになった経緯があります。父親は車の事故でなくなっていますが。学友のPaulがこの本の暗号の解読に成功し始めると、TomもPaulにヒントを与えるようにな り、巻き込まれて行きます。父親と同じにはならないように、本の解析には消極的だったTomはしまいにはこの本の謎ときにほとんどの時間がとられるようになりgirlfriend Katieとの仲も壊れかかってしまいます。

Tomの一世代前にこの本の解読に挑戦した登場人物はTomの父と、現在のPaulの卒論担当の教授Vincent Taftそして父とTaftの友人のRichard Curryです。

ものがたりはHypnerotomachiaの解読についやされます。章のタイトルWordsの頭文字を並べるとキーワードを探すためのなぞなぞが出てきます。なぞを解いてキーワードを探して最初の章の解読をすると、次の章では別のキーワードが必要になります。

感想:

タイトルのThe Rule of Fourとは「Four south, ten east, two north, six west from stadium」という暗号解読後にでてきたキーワードを見つけるための謎から来ていると思われます。普通の意味のある文章のうらに隠されたメッセージのからくりがだんだんと分かってきます。作者の暗号化への知恵を、つまりPaulがときにはTomの閃きに助けながら解読してゆく様子の描写をわくわくしながら読まされました。

この本の作者はFrancesco Colonnaだとわかってきます。読者は1490年代後半のローマとフィレンツェに連れて行ってもらえます。Francescoは全財産をなげうってでもフィレンツェにある文化(絵画、書物)をルネッサンス反対派の放つ火から守ろうとします。

Prinston大学の卒論を書いている学生の気持ち、それを指導する教授のエゴ、ルネッサンスの1490年代の様子など、面白い要素がふんだんに出てくるので、知識欲旺盛な読者を十分楽しませてくれます。

Vincent TaftがPaulの論文を使って自分の功績にしようとしたり、Richardとの過去からの確執があったりします。最後の方は、大学で大事件が起こり、ストーリーの進み方が面白いというか飛びすぎの所もありますが、とても楽しめました。おまけも良かったですね。

おすすめです。