DANIEL KEYES

2005/4/20

Flowers for Algernon

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おすすめ度★★★★★    (2005/3/17読了)
講談社のルビー・ブックスで読みました。

これは画期的なアイデアです。本全体の全単語のうちの難しいと思われる20%程度の単語に、 日本語訳のルビをつけてあります。自分の実力よりも、ちょっとレベルが難しい洋書を よむために大変優れたアイデアだと思います。アルジャーノンとはねずみの名前です。

IQを高めるプロジェクトにより知能が高められたなずみがAlgernonです。32歳の知恵遅れのCharlieは、 プロジェクトから人体実験の白羽の矢を立てられIQ68からIQ185の超天才になります。

この作品は、すべてCharlieのProgress Report形式で書かれています。CharlieのIQが高まるにつれて、 ミススペルだらけのReportがだんだんと知的なReportに変わって行くところに、読み応えがあります。 ミススペルのパターンが話し言葉の通りになっているので、英語の発音が確認できる、ユニークな、 日本人にとってありがたい作品です。

たとえばこんな具合です。
3d progris riport (3rd progress report)
I tryed the hardist becaus I reely wantd to lern.
(I tried the hardest because I really wanted to learn.)
(リンギスティックな見方をすると、発音上なるほどと思い、楽しくなります。

IQが短期間に高くなった反動として、肉体よりも先に脳が急速に衰える欠陥をCharlieはAlgernonの 行動の変化から予言します。
「勉強、知識、知恵、能力、幸せ」など、読んでいていろいろ考えさせられます。普通の能力を 持っている幸せと、この能力を持てる限り有効に使おうという気持ちにさせてもらいました。

「読まないで死んだら人生がもったいない。」と言える本です。