DAN BROWN

2005/4/20

The Da Vinci Code

Copyright 2003
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おすすめ度★★★★★    (2005/3/17読了)

ストーリー:

主人公は、Harvard大学のsymbologist((宗教的)象徴学) Robert Langdon、相手役の美人は警察のSophie Neveu (French cryptologist暗号解読専門家)、舞台はParisです。後半にイギリスが出てきます。

Parisでの講義が終わった深夜にLangdonは殺人事件の現場に来て欲しいと警察(DJPC、フランス版FBI)から 要請されます。Louvre美術館内で殺されたのは館長のSauniereです。犯人は秘密結社のOpus Deiの手先の神父Silasです。SilasはBishop Aringarosaの忠実なしもべですが、あとで2人ともTeacherという 人物に操られていたことが分かります。

SauniereはSophieのgrandfatherであるとともに、聖杯の秘密を2000年近く守り続けてきた組織 the Priory of Sionの長でした。聖杯の秘密は常に4人のメンバーにより代々受け継がれていました。 4人のうちの誰かが欠けると(死亡すると)1人が補充され、安全に秘密が受け継がれてゆきます。

SuaniereはSilasに襲われ、偽りの情報を与えますが、すでに他の3人も同じ日に殺害された事を知ります。 銃で撃たれ、残りわずかの命となった身で、 このままでは秘密が途切れてしまうため、必死でLouvre館内に秘密を残します。血で床に書かれた4行の 暗号の中にLangdonの名前があり、暗号解読を手伝って欲しいと依頼され、容疑者として もルーブルの現場に呼び出されます。

Sophieもこの暗号をOfficeで目にしてルーブルに駆けつけます。事件の流れで、SophieとLangdonは警察の 容疑の中をルーブルから脱出し、Sophieのおじいさんが残した暗号の答えを探しに行動を ともにします。暗号の先には聖杯のありかが隠されています。同時に聖杯を追っているのは、Opus DeiのSilasそして別の組織も。

感想:

Langdonは学者であり、はでなアクションこそありませんが、インディージョーンズの聖杯を求める旅に 似たイメージで読み進みました。

聖杯伝説に対して、大胆な見方を示しているところが、750万部も売れた理由だと思います。異説かも しれませんが、聖杯がキリストをより人間として記録したDocumentに導くことにより、教会の権威が 失われるような事実が明らかにされてしまう。そのために、教会およびOpus Deiは必死になって聖杯のありかを探しているという着想がユニークで面白い。

ストーリーにはDa Vinciの業績、1.618という“神秘な数字を”美術に取り入れた事、最後の晩餐の絵の中には女性が 描かれている。なぜ13日の金曜日は不吉なのか。 キリスト教はなぜ男尊女卑なのか、それ以前の異教徒は男女平等だったではないか。等々、 あまり我々にはなじみのないキリスト教の別の視点と、Da Vinciの業績が紹介されているので、楽しみながら歴史が分かるような気がしました。かなりFictionが あるのですが、歴史が分かったような気にさせられるところが良く売れている一因かも知れませんね。

私は個人的にヨーロッパの旅(Drive)が好きなので、Parisの中を主人公が動き回るだけでも 楽しくなってしまいます。フランス、イギリスに行った事のある人には特にお勧めです。

旅行の話しついでに、paperbackにはよくイギリス、フランスが出てきます。私がはじめて海外に 行った360円の時代に比べたら夢のような値になりました。安くヨーロッパ旅行が出来ます。 せっかくの人生です、ぜひイギリス、フランスに行ってみてください。帰国してからは一生、 TVのニュースに行った場所が出てきた時に 、とっても興味を持って見ることが出来るので、いままで気が付かなかった彼らの生活が 理解出来るようになります。この発見は一生続きます。当然Paperbackに行ったところが出てくると、 頭の中に広がるイメージが全然違うと思います。

たとえば 10日間、イギリス、フランスの旅をしたとします。実は10日間の楽しみで終わるわけでは無く、 一生の間その効果が続くのですよ。

ヨーロッパには旧い建物(500年前のものとか)がそのまま使われています。1000年を越すものは さすがに観光地化されていますが、見る事が出来ます。美術館、博物館、大邸宅、教会などがDa Vinci Codeにも沢山出てきます。これらに実際に行った事があると、ずいぶんこの本から受けるイメージが 違ってくると思いました。さらにこの本を読んでから、現地の教会を訪問するとまた見え方が 違ってくると思いました。