2005/4/20
物語:
In Style誌による書評には「Like an Irish Sleepless in Seattle」とあります。私も同感です。
Sleepless in Seattleはトム・ハンクスが妻に先立たれますが、PS I love youは
Hollyが夫のGerryに病気で先立たれます。
Hollyが失意のどん底にいる約1年間の出来事をHollyの内面から
描写してゆきます。
Gerryが亡くなってから1ヶ月以上家にこもって泣いてばかりいたHollyは、まわりにすすめられてだんだんと外に出始めます。実家(近所)に久し ぶりに行き届いていたパッケージを開けるとビックリ。Gerryが死ぬ 直前にひそかにHollyにあてて書いた手紙が10通が封がされた状態で 出てきました。3月から12月まで毎月ひとつづつ開けるように指示が書かれています。最初はMarch。今はすでに Aprilなので、MarchとAprilの封を開けます・・・・・・
感想:
著者の Cecelia Ahernの写真が表紙の裏にありますが、若くてかわいい人ですね。Ceceliaはジャーナリズムを専攻してdegreeをとった
そうですが、第1作目のこの「PS, I Love You」でいきなりヒットチャート
にのってしまい、Warner Brothersの映画化が進んでいるそうです。
誰が主人公のHollyをやるのか楽しみです。
彼女は南アイルランドの住人でDublinに住んでいます。サクセス
ストーリーにのったシンデレラ的存在ですね。
読んでいてまず感じたのは、普段着のかざらない会話がふんだんに書かれていることです。会話が中心で、顔の表情などがつけ加えられて います。このために、まるでフレンズやアリーMy LoveのTVドラマを見ているような感覚で、読み進みました。
スペルはcentreなどとイギリス英語ですが、文体はむしろニューヨーカー 的なものを感じました(イギリスくさくないという意味です)。 Sleepless in SeattleはMagicを起こす人(トム・ハンクス)を メグ・ライアンが追いかける話で、メグライアン寄りの話の展開ですが、この物語は悲しみの中にいるHollyが中心です。明確な意中の人は出てきません。最後にちらっといい人らしい男性が出てきますが、これから始まるというところです。そこまでの気持ちになってゆくHollyの10ヶ月間が描写されます。
ときどきけなげなところに私の目もウルウルするところがありました。
この本はリスニング100%を実現するために私がお勧めしている、
「目で聞く」練習にとても適した本です。
この本をゆっくり話すスピードで読むことができれば、同時に
リスニングの良いトレイニングになります。
そのためには「発音」を習得していることが条件になりますが。
たとえば、「Oh, don't worry about it!」を見たときに、Nativeが話している
そのままの音が頭の中に聞こえてきます。アクセント、連音、消音
も聞こえるままです。カタカナ式発音を克服している必要があります。
一つ一つの単語を読むのではなく、「Oh」「don't worry」「about it!」の
かたまりで読みます。あたまに響く音を近似すると
「Ohオー」「don't worryドオゥン ワリー」「about it!アバウ りッ」
というぐあいです。
楽しい読み物なのでお勧めですが、会話に慣れたい人に特にお勧めします。